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さやかなこまかなことばさきとどかぬのならそまず散るだけ
おとしぶみおとした文の子守唄
せきをしてもひとりよりすこしふかい秋はひとり
焼きいも売りの声すこしたかく
石黒くなりショパン ....
初めての運動会の始まり
開会式の話はぼうとした頭にははいらず
年長さんのマーチングは堂々としていて
父母も慣れた様子でベストポジションから
カメラを向ける
渡された紙の、一番最後
年少 ....
雪景色の原野から遠吠えがひびく
とおく聞こえる海鳴りにまじって声がする
原野は燃えた灰でなく
荒野に降り積む朽ちた身体
かつて狩ったシシのまわり
散らばるたくさんのあばら
お前たち ....
一斉に発信される音を
受信したラジカセで変換し流す音楽が
ドアも窓もない部屋で飽和していき
ベッドの上で潰れそうになるから
カセットテープに録音してはつめを折って
レターパックへ入れても宛先が ....
仮定された
塩化ナトリウムの潮解性と
マッチをする黄リン
炭素をはんだごてした
フラーレン
機能性と海底ケーブルと飛行機
仮定された二つの箱の中で
鏡合わせに崩壊する2匹の猫 ....
いなくなった人へは
何も書けないから
妻へ
前略
草々
としたため
渡した手紙は
洗濯されて
入道雲の下に干してあった
立ち上がる
背伸びをした
その、もっと上に ....
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)
のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり
(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....
滅菌室に芽吹いた
一本の葦
畳、開け放たれた窓、ほほをなでる風
庭に咲くキンモクセイ
高校の制服
ボールを蹴るときの足の反動と
ふくらはぎからふとももの筋肉の
機微
酸素と ....
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