高さとは
ピントが合わせにくいものだ
望遠レンズの先にある
高さの下に言葉を置いて
その先に括弧書きするように
灯台の思いを置く
大きなものが
身近に引き寄せられて
....
小人の国
軽快で軽い
繊細で小さい
スプーンも小さい
仲間でひっそりと
生きてゆく
喧嘩もせずに
仲良く過ごす
皆働き者
マリア様に
お祈りをする。
そんな生活もいいかも ....
悲しいワルツ
悲劇の出来事
愛するものを
失う絶望感だ
甘い愛の歌
手に手添え
正しく生き
憎悪持たず
お祭りの日
全てが変る
楽しく嬉し
生きる意味
あぁ、ここにあったのか私の肩。
誰か抱いてください。
輪郭を感じたいのです。
暑さも寒さも痛みも、すべて感じないのです。
誰かに抱かれると
触られた場所だけ感覚が戻る。
太古から、 ....
がらんどうの僕の胸に
柔らかにきみがふくらむから
メールではなく
涼しい便箋の手紙を送ろう
ああ、住所をしらない
しらないから
ギクシャクしちゃう
もっと練習しておくんだった
いろ ....
かんぜんたいは
ありとあらゆる
条件を
かね備えて
きぜんとしている
が
唯一だから
さみしい
というおもいを
知らないでいる
ふかんぜんたいは
ありとあらゆる
条件が
あり ....
道に紙が落ちていた
人の名前が書いてあった
知らない名前だった
畳んでポケットにしまった
家に帰って紙を広げた
十分経っても知らない名前だった
ひどく蒸して
退屈な夏だっ ....
虹が美しいのは
雨のあとだから
虹が美しいのは
光の さしこみ
すると
虹に向かう力は
その盾は
どちらさまの
しわざなの?
広島はいつも晴れ
八月六日 ....
?
土砂降りの雨の中
子猫に出会った
フワフワの子猫が
見る影もない姿になって
水たまりに横たわっている
四肢を投げ出して
濡れた毛のかたまりとなって
「ネコちゃん?」
....
半分だけ寝ぼけて
ぶらぶら生きてるうちに
何もかも嘘だらけに見えてきちまったのさ
時々いい気分で信じてた嘘が
だんだん姿を見せなくなったんだ
でもよー
誰かは信じてなきゃ
くたび ....
デイサービスに初出勤の日
助手で乗った送迎車の窓外に
前の職場の老人ホームを去る時
手を握りあったお婆さんが散歩道で
杖をつき、せっせと坂を上っていた
( 僕も、新たな日々の坂 ....
独りになりたくて
そんな夜があって
そんな夜には
鏡越しに見える現はいらなくて
吐き出す術をも知らずにいて
まるで深い井戸の闇から
遠く彼の空の幻を見ているようで
人 ....
人の事は考えない
自分が良ければいい
威張り腐り
仰け反っている
権利を主張し
自分は義務を果たさない。
文句ばかりいい
必要以上に求める
感謝、お礼、労いも言わず
人を命令 ....
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
キリンの背中に乗っている間に
世界は終わった
大好きだった人たちも
名前すら知らない人たちも
見慣れた建物も、古代の遺跡も
季節の匂いも
すべて跡形も無く消えてしまった
出来るだけ ....
雨は
縦からやってくるのに
雨のにおいは
横からやってくる
ボブ・ディランが
教えてくれた
「Blowin' in the wind」
その答えは
風に吹かれているだろう
雨 ....
その箱のなかには夢が溢れていた
幌馬車に乗っていたり
早馬にまたがり二挺拳銃は火を噴いて
またあるときは電話ボックスから秘密基地へと飛び込めば
誰もが海の向こうの豊かさに憧れた
....
卵は
白身が透明でいるのが礼儀正しいことだと思っていて
黄身は水毬のようにやわらかくあるのが正直だと信じていた
あの日々のわたしは
うまく立てない殻のまるみを遺伝子のせいにしていた
好き ....
月曜日
の
昼休み
コンビニで
メンチカツ
入りの
パンを買い
公園で
前向きに
食らう
いつもと
同じ光景
昨日と
違う蝉
財布の小銭は
明日あたり
....
「
世界で最初に本とよばれたものは紙の束ではなく、粘土でできた焼き物だった。渇いて固まった土のようなみすぼらしいものを想像してはならない。それは白くて半ばガラス化した陶磁器である。本という字がきざみ ....
空が青い。雲はまっしろ。
山に囲まれた中途半端な町。
良くもなけりゃ悪くもない。
古いお山がたくさんあって
いたって普通なんだけど
なんだか時折切 ....
そういえば
姉の名前は
梨の華と書きます
はじめての孫に祖父が名づけました。
昨日の午後に
私はのこぎりを持って
全身を使って
梨の枝を切り落としていました
父と一緒に
....
よくわからない今日が
静かに終わって
明日は
よくわからない今日を
引き摺って歩む
時々振り返っては
首を傾げ苦笑う
そんな今日を幾重にも積んだから
私は私が
よくわ ....
何が伝えたいの
何が言いたいの
ちょっと待って
小出しに話して
人は心を閉ざすと
戸の外では
話を聞いてくれない
悪い事をしていないのに
日本人は島国根性
よそ者を受け入れな ....
ベッドの下に
もぐりこみ
驚かせる
あれいない?
布団に入り
愛の言葉を
囁く
誰もいない
焼酎を始終飲み
タバコを吹かし
今日も電話をかけ
相談する。
真夏の図書館では
人の歩く音や
本のペエジを開く音
キイをならす音などが
美しく
混ざり合っている
サリ サリ サリと
新しい音を作っている
サリ サリ サリ サリ
キリ キ ....
めだまやきには
苦痛をともなうべきだと
たまごがやかれ
失われるのは
とりのめだまの
源
だった
きみとしろみとその他もろもろ
たとえられて
身のぎせいを
あじわっている
なんて ....
跛(びっこ)をひいた男が独り
本屋の軒先を横切る
そこが本屋の軒先であることなど
全く意にも介さず
杖をついた老人が本屋の中から出てくる。
一冊の本を購入するでもなく
じっくりと日課の ....
100歳の詩人のまつ毛には、虹が架かるらしい。
「涙が出さえすれば、虹になってるんです」という。
ふしぎがりの詩人 まど・みちおの映像をテレビでみた。
「自分のここ(まつ毛)に涙、小さい虹が出て ....
ベランダで裸になったまま
何もすることのない私は なんとなく今日はいい気分だった
このまま死んでもいいと思った
そうして いつまでも 私は流れる風に吹かれているようだった
ぼん ....
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