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ろくさいの
おかっぱあたまの
むすめがいた

こいもしらない
そのむすめが

まさか
よんじゅうにさいになるとは

はちじゅうはっさいに
なるとは

しらずに
 ....
 
 
朝顔が咲いていた
夏の日だった
もらい物だろうか
テーブルの上に
クッキーの缶があった
食べても良いか妻に聞いた
食べても良いと妻は言った
何事もなかったように
パトカーが ....
工場の若い工員が
長細いフランスパンを
後ろ手に握りしめ
食堂から持ち場へと
小走りで駆けてゆく

グレーハウンドの尻尾のように
揺れているパンの影を見送れば
午後一時を告げる鐘が鳴る ....
そのひとが
どんな人生を歩んできたのか
二秒のすれ違いでは
理解できないかもしれないが
考え始めることが
何かのはじめ

漠然としすぎているから
ためしに
どういう風に髪を洗っている ....
私を怨みなさい

何もかも 知ったような顔して

貴方を突き放す私を

私を憎みなさい

言えばいいこと 言わなければいいこと

本当は知っている私を

私を嫌いな ....
金魚鉢に金魚
上から覗き込むと金魚
胸鰭を動かし
尾鰭を動かし
背鰭を動かし
何となく静止する金魚よ。

夏だけ生きている金魚
ほんの数リットルの水に漂う金魚
横から観ると大きく見え ....
いつも見ている山が、きょうは近い。
そんな日は雨が降る、と祖父が天気を予報する。
大気中の、水蒸気がいっぱいになって、レンズみたいになる。と誰かに聞いた。
山の襞が、くっきりと見えたりする。
 ....
老人施設とは
終着駅のようなものとおもっていたが
通過駅にすぎなかった

口をあけたままの老女も
うつろにみえる老人も
どこかへゆく途中だ
雄々しく背中をふるわせて

幼児にむける
 ....
緑色が波打って
濃くなって
育まれている
数えきれない夢たちを
数えてみる試み

1から10まで
10からまた1にもどる
5、くらいでたいてい数を忘れるから
また1にもどる
本当の ....
小学生で
ざりがにを釣ることを
おぼえるために
川ぞいへ
連れて行かれる

えさとかばしょとか
理由はよくわからないけれど
釣果には差が生まれて
移動をしても
変わらないものは
 ....
今日、秋葉原の、
コインパーキングの前で、千円札を拾った。
ぼくが拾わなければ、
ぼくのうしろのやつが拾うのだから、
ぼくは迷わず拾ってやった。
千円札を拾うのは、小学校の、5年生の時以 ....
風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
そこは大きな畑 だった
広大な綿花畑 だった
コッ ....
ながい柵があり
(たとえばそれは
夜だったり朝だったり
場所だったり人だったり
あるいは思想だったりするけれども)
ともかくながい柵があり

内側というのは
どちらですか

檻 ....
平凡な服を着て、平凡な食器で食事をする、くつ下にいれる足もいたって真面目、
それらをおしこめておく革靴も、
どこにでもありそうなドアノブをまわし、いつものところに鍵を置いて、アパートのむかい、 ....
             110720

            
トコロテンでごはん
辛抱おし
半時ぐらいは
保つでしょう
お母さまは
まだお帰りにはならないのです
 ....
 
 
今日、世界は晴れている
引用句を継ぎ足してつくられた飛行場から
貨物便が離陸した
生き物の涙や汚れたシーツ等を積載して

至るところに扉をノックする人がいて
人にノックされる扉 ....
                 110716


ギと鳴く虫か
やりかけの画像が
ぎごちなく
振り出しに戻ると
好くない知らせが
虫の息で横たわっている
凡人には感じられない
寂 ....
いさかいの中ではあったが
向こうが透けるような男ではなかったか
理を曲げず、筋は通せたか

虚勢の向こうにある
哀しい心憐れむこと
できたか

微かに怯え
震える相手の声憐れむこと
 ....
昔々のその昔
葛城山の頂(いただき)に
崩落しそうな崖を臨み
奇形な巨岩(おおいわ)に注連縄(しめなわ)が
その巨岩(おおいわ)のその上に
みずらに勾玉(まがたま)
直刀を佩(は)く 弥生 ....
満ち潮が新しい雲を率いてやってくる
ねむの木の下にしゃがんでいたら
スイカと蚊取り線香の色がただよってきた

知らんぷりしているようで、世界はやさしい
ふとんを叩く音 野菜を煮る音
自販機 ....
ほんとは書くことなんてないんです
ってところから書き始めるのが定石でしょう
なんてナルシシズムなんて言外に心外で論外だから
僕のことなんて金輪際いっさい知らずにいて欲しいけど
宇宙の始 ....

朝九時にニコライ堂を右手に見
下りる坂の街路樹は
銀杏のくせに輝く緑


靖国通が
花満開だなんて
だれが信じるものだろうか
でも事実なのだから


湿気の多いビル ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった

逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため

散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
 ....
yuugaoさんの自由詩おすすめリスト(114)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
お墓の娘- 小川 葉自由詩211-7-27
朝顔- たもつ自由詩311-7-26
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- 一酸化炭 ...自由詩111-7-25
金魚_パートⅠ- ……とあ ...自由詩14*11-7-25
あしたの天気- yo-yo自由詩8*11-7-25
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七月を数える- あまね自由詩1211-7-24
ざりがにの住処- 中川達矢自由詩4*11-7-23
金運- はだいろ自由詩611-7-23
上を向いて歩く- ……とあ ...自由詩8*11-7-23
インタラクティブ- はるな自由詩1111-7-21
がちゃがちゃ- ズー自由詩3*11-7-20
心星- あおば自由詩13*11-7-20
news_paper- たもつ自由詩311-7-17
擬宝珠- あおば自由詩6*11-7-16
強くあれ、ただ強くあれ- 西天 龍自由詩211-7-15
一言主2- ……とあ ...自由詩611-7-9
七月、土曜日の真昼- あまね自由詩1211-7-7
心象風景からは程遠い場所にある無意識下での哀しみの不可算性、 ...- 凪名木な ...自由詩4*11-7-4
初夏の神田の六つの詩- ……とあ ...自由詩13*11-6-28
とても控えめな愛に育まれていた頃- 西天 龍自由詩24*11-2-1
次に来る者たちのために- 西天 龍自由詩8*10-5-6

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