すべてのおすすめ
南国にも雪はふるのだろうかと
君が言う
南国では溶けて雨になるわと
私は答える
南国で雪がふれば、みんな喜ぶのにと
君が言う
みんなって誰のことと
私は問う
南国にも病 ....
雨の糸
紡いで布を織る
星の子
風邪を引かぬように
七夕
願い事を書いた短冊
白紙の未来
ペン先がじっとみつめている
願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
よっぽど
おなかすかしてはったんやなぁ、おつきさん
おひさん
たべてまうなんて
よっぽどやな
やけどするで
くちんなか
べろんべろんになるで
おとなしそうなかおして
やるときゃやるん ....
トリセツをただの一度も読まずとも正しい呼吸の仕方はわかる
もともとはペアであった靴下も気づくと穴が片方だけに
色褪せたペエジをめくる緑風が塗り替え時期と付箋をつけた
強風でバタンッと ....
歩くのに疲れて
たどりついたところに
バスの停留場があった
時刻表に記された時間は
呆れるほどのまばらさだった
古めかしく
ところどころ錆びに侵食されて
そもそもちゃんと
機能して ....
森の奥深く
たった一滴の水を源流として
川が生まれた
水のゆく
みちすじが川となり
やがて河となる
高いところから
低いところへ
流れていく
河が長い旅を続けるのに
パスポ ....
詩のすぐ傍に
時折死があるのは
詩を読む人が
死のことを知りたいと思うからです
詩のすぐ傍に
時折希望があるのは
詩を読む人が
絶望のなかでも生きていかねばならないと知っているからで ....
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと
あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
....
たねは
ねむっている
どんなゆめをみているのだろう
たねが
かぜにとばされた
すこしふあんになってふりかえる
たねのきおくは
らせんのようにつながっている
たねは
たびを ....
なんのために
歩くのか
それが死への行進であっても
もはや
退くこともできず
ただ祖國の土を踏むことだけを
夢見て
凍土を踏みしめて行く
泣く力はとうになく
乳さえ吸う力もない
赤 ....
言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった
舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
あの子は
人間樹木になって
森へ還っていきました
さあ
嘆き悲しむのは
もう止めにしましょう
春には
芳しき白い花を咲かせ
やわやかな緑の新芽を指先に這わせ
虫や蝶を友とし
秋 ....
今朝も
様々な具材を乗せて
すし詰め電車が
発車していきます
季節は冬ゆえ
暗い彩りになることは
ご容赦いただきます
味は
休日明けゆえ保証します
たらふくご馳走を腹に溜め込 ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした
かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
こ ....
流れ着いた言葉たちは
ただ静かに 集う
そこは
言葉の渚
私はじっと佇んでいた
寄る辺ない 潮騒
波打ち際の 白い泡
寒くなれ
痛いほど寒くなれ
凍れば凍るほど
僕は強くなる
霜柱
一晩かかって
地面を持ち上げる
どうしてそんなことを
するのかって
そんなこと聞かれても
実際のところ
わから ....
{画像=120107114152.jpg}
春になっても
その球根は芽が出なかった
「おばあちゃん、これ、フリョーヒンだね」
知ってるよ
フリョーヒンは時々現れるんだ
僕が働い ....
あいつは
今頃どこで何をしているのか
街角のどこかに捨てられて
涙も出さずに
冷たくなっているのか
夜のうちに降り積もった雪に
もしかして
埋もれているかもしれない
鍵をか ....
去年
義母が急逝した
晩年
持病で苦しんでいて
会えば
病気の苦しさばかりで
死にたいけど死ねないのよね、と言われると
そんなこと言わないでと
答えながら
鬱屈した気持ちになった ....
ベイビー
あたしのことをそう呼んだのは
最初の飼い主だった
本当の名前はコインロッカーベイビー
長い名前はめんどうなので
いつしかベイビーになっただけ
生まれてすぐ
まだ眼も開い ....
折り紙
あなたは何を折りますか?
折り鶴
空へ飛ばしませんか?
紙を折れば線がつく
たとえば人生が一枚の紙であったなら
線の数を讃え合いましょう
紙を広げれば最初からやり直せる
....
宇宙国銀河太陽三丁目地球日本師走なう。
癒されて励まされてるひだまりのような笑顔にそっとありがとう
太陽をたっぷり吸った綿布団幸せもっと増やす気がして
冬の朝鍋の湯気にて温まり「 ....
今日の議題は今日の空! 昨日でもなく明日でもなく
誰にでも優しい男がいたけれどこの空みたいと思えばよかった
命って一人がひとつ持ってます持ってる間は生きています
病室の四角い窓が今朝 ....
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