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フレデリック・ゾマーの
あまり質のよくないコピーと
「時計仕掛けのオレンジ」の
アレックスのニタリ笑い
きみの部屋に語るものがあるとすれば
きっとそれぐらいなものだ ....
好きやってんでと、うつむくわたし
知ってたよと、うそぶくあなた
きらめくネオンの街で、さようなら、さようなら、
私自身の
昆布〆を食べる
という日常
の先にある血のついた手
交尾の記憶も生しいままに
後悔をしながら
新茶の香りを楽しむとき
にわかに起こる
彼方のなだれ
氷山の崩壊と
吹雪の中 ....
ポケットから
手帳を取り出す手が冷たい
ことばを整理する
その過程で
冷えてゆくものも温まるものもある
あられが窓をしきりにノックする
冬が訪ねてくる深夜
うまれてきたことに感謝し
....
{引用= 「歯」
数匹の
蟻とともに
おまえの白い歯が
焼かれている
雨は
降らず
風だけが、その
匿名の乾きを
旗印のようにたなびか ....
さみしいさみしいが
毛穴という毛穴からにじんで
コンクリートの路地や
木造の二階建てや
塀の上の猫まで
とにかくもろもろのものをさみしいさみしいの中に
沈めていって
やがて太陽がさみ ....