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背後には誰もいない
開け放した窓から雨が降りそそいだ
部屋には部屋がなかった
区切りのない家に不可視の声ばかりこだましている
迷宮ですらない
音楽を挿れたら違う生き物になる
誰も別人でなか ....
行ってほしくない
カプセルを割って記号を盗む
調合の腕もないのに試した
頼りは他になかった
免罪符にもならない
実りは業にくべた
治療痕を掻く
なにかいる気がして
ある朝、 ....
ここにいるよ
肩を叩く、
きみからは赤い強い臭いがする
そうかと思うと水色に香る
すべてみたいな顔して
この庭を出たとこで
きみに見つかりたい
なにもかも忘れて
合図も順番もないとこで
頭から夜をかぶる
花の枯れる匂いと音、種の割れる、うっとうしげな身じろぎ、あくび
のびては千切れる翅
近づいては崩れる影
もう食べてしまった
それからまた食べる
際限なく伸びる、縮む
音 ....