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目の前の
馬鈴薯と玉葱の炒めものは
たった一枚の皿であれ
時と所により
どれほどの幸いを、もたらすだろう
ジャズを聞きながら
君に手紙を綴っていたら
知らぬ間にアルファ波が
出ていたらしい

気がつくと
時計の針の30分が
あっという間に過ぎていた

願わくば
退屈で長い1日よりも
 ....
誰の手が自分を温める? 

日本の何処かに
そんなお方はいるやも知れぬが 
ああせめてその日まで 
俺は俺の情けない手で 
俺自身を温める 

俺は俺の最上の友達 
人知れぬ 
酸 ....
優しい声が届かない夜は
深層意識の土に立つ
一人の木をみつめます

夕陽をそそがれながら
ひとつずつ実りゆく言葉の果実は
あなたの部屋に届くでしょうか

この道は哀しみだけで終わらず
 ....
こっけいな歩みも、また良し。
元々僕は何処か
やっかいなものだから。 
けったいな足音をひびかせるうちに
けっこうな足音の瞬間が
この頼りない細足でも
あるやもしれぬ
から
こけこっこ ....
月曜の夜 
オープンマイク「SPIRIT」に行った 

若い詩人達が輝いていた 
かれらをリードする主宰の詩人二人は 
言葉の夜の 
オープニングとエンディングで 
世を去った同世代の詩 ....
僕の部屋に友を招いて
ゆげのぼるお茶を飲みつつ
「マイナスをプラスに変える術」を
語らっていた

 どすん どすん

窓の外に、切り株の落ちるような
物音に耐え切れず
腰を上げて、外 ....
ゴールデン街の飲み屋には
色褪せた「全員野球」のお守りが
ぶら下がり
小窓のぬるい風に、揺れていた
妻が財布を買ってきた
古い財布と、中身を入れ変える

小銭と幾枚かのお札を、入れて
レシートの束を、捨て
ポケットの空洞に
旅先のお寺で買った
お守りをそっと入れる

その日から
 ....
やがて夜は更けゆき
恐れと不整脈は
徐々に…消去するだろう

私はゆっくり「扉」を、開く
(微かな光は隙間から洩れ)

まぶしい彼方から
誰かの影が
一通の手紙を携え
こちらへ歩い ....
あなたが歌を歌う時
あなたは歌そのもの

僕が言葉を語る時
僕は言葉そのもの

僕等が一人ひとりの日々の旅路を
ゆったりと加速して…歩めば歩むほど
人間は歩行になる

――あっ 真 ....
「友への手紙」

君は桜吹雪の彼方へゆく
僕は{ルビ永遠=とわ}へ詩う
友よ、ありがとう
今宵は何故か・・・涙の美酒だ

   *  ....
自らを、時の流れに譲渡せよ。   ライブ会場に
アンコールは湧き起こり
サプライズのゲストで、呼ばれ
舞台に上がった
利久さん

ピアノとギターで弾き語る
男女のユニットの傍らで
スケッチブックに、赤く

 Lov ....
竹筒からひとすじの糸が――落ちる
石の器の{ルビ水面=みなも}に、円は広がり
しじまはあふれる

絶え間なく心に注がれるもの

心の{ルビ靄=もや}に穴を空け
密やかに
わたしをみたす ....
掌に乗せた
十円玉の寺院の中に、小さな僕がいる

小さな僕が、院内の
大きな阿弥陀如来像を、仰げば

周囲を
十三体の仏に囲まれながら
薄い目を開いている

その頭上で
小さな仏 ....
あなたは一体
何処から来たのでしょう?

あなたは、あの日
たった一粒の種でした

一粒の種の中には
「他の誰でもないあなた」という設計図が
小さく折り畳まれ
ぎゅっ  ....
よく晴れた初夏の午後
家の庭で、ダウン症児の息子に
青い帽子を被せる

まだ{ルビ喋=しゃべ}れない5才の息子は
うわあっ!と
帽子を脱ぎ捨てる

部屋の中にはBGMの
ロックが流れ ....
帰りの時間、お年寄りの皆さんの前に立ち
マイクを持った瞬間、言葉は詰まり
震える声で、新たな日々を誓う
一人一人の手を握る…熱い涙のあふれるまま 
送別会で酔っ払い所長の隣りに、腰を下ろす
――俺は昔上司に嫌われ、必ず見返す!って
  決意して、ここまで歩いて来たんだよ
そんな所長の男気を初めて知った、退職前夜  
酔い覚めの秋の夜道で、編集者のおじさんに
「義父のケアとダウン症児の息子を育み
 嫁さんの負担を減らす為仕事を辞めます」
と言うや否や「偉い!」と握る手の…暖かみ  
幼稚園の頃の先生の御主人の告別式で
献花の百合をそっと置き、一礼した後
頭を上げる――(剛君、ありがとう)
眼鏡越しに充血した瞳は、無音で叫ぶ  
昔の職場のボランティアのおじさんと初めて
焼き鳥屋で飲み、定年退職の日の花道を語り
僕も「来月退職します」と、打ち明けた
手渡された絵手紙の{ルビ松明=たいまつ}は…滲んで燃える  


 ....
久々に姉さん女房が噴火した…避難のため
思わず外でジョギングする僕を――こんちわ
職場の先輩の太ったおじさんが
原チャリで風を切り、小さくなってゆく  
編集者Kさんに退職を伝えると、厳しい一言
――原稿を依頼するには、肩書を
――その発想は面白くないっすよ!
僕の嫁さん子供まで心配する瞳が、少し潤む  




  




 ....
鉄格子の間に坐る、あなたは
じっと――待つ
小さい窓から射し込む
一条の光にふれる、あの瞬間を

旅人の静かな足音は
やがて…遠くから響き
あなたはゆっくり、立ちあがる

(深く澄ん ....
今日
私は知った。
私は私であり
私ではない。

明け方の
山の彼方にゆらめき昇る
あの太陽により

産声をあげた日から
棺に入る日迄
我が心臓は、脈を打つ  




 ....
いつの時代も
人は飛ぶことに憧れ
長い時の彼方から
語り継がれた、鳥類の夢

――DNAは体内で目覚めを待ち…

僕は羽ばたきたい
でも、翼は無い
されど往こう

モノクロームの ....
その少女の瞳には
空白の明日を覆い隠す…不安と
不安の奥底にゆるがぬ
一本のすじが、通っている

少女はすでに、聴いている
得体の知れぬ煙の塊を
明日へ投げ去った時

ふいに訪れる、 ....
路面に無数の石は埋もれ
ひとりひとりの石の顔は
瞳を閉じて、哀しみ唄う

この街には色がない
(透きとおったビルの群)
この街には声がない
(透きとおった足音の群)

いつからか
 ....
梅昆布茶さんの服部 剛さんおすすめリスト(185)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
昭和二十年、或る夏の夕餉- 服部 剛自由詩1020-1-28
純粋な時間- 服部 剛自由詩720-1-11
即興対話詩1_~おもろい日々へ~- 服部 剛自由詩219-11-23
秋の果実- 服部 剛自由詩6*19-11-4
にわとり君- 服部 剛自由詩319-10-26
詩人達の夜とひとりの朝- 服部 剛自由詩119-10-14
野球少年- 服部 剛自由詩318-11-4
お守り- 服部 剛自由詩4*18-10-13
財布の中身- 服部 剛自由詩918-10-6
自らを脱ぐ- 服部 剛自由詩917-12-8
SPIRITS- 服部 剛自由詩517-11-7
手紙―友を偲ぶ―- 服部 剛自由詩117-11-7
一行詩_1- 服部 剛自由詩117-11-7
河原町・ライブハウス都雅都雅にて- 服部 剛自由詩217-7-30
石の器―大原三千院にて―- 服部 剛自由詩117-7-30
十円玉の中に―平等院鳳凰堂にてー- 服部 剛自由詩217-7-30
花の名前- 服部 剛自由詩917-6-18
息子の叫び- 服部 剛自由詩317-5-29
十一月二十六日(土)_夕- 服部 剛自由詩217-2-28
十一月二十五日(金)_夜- 服部 剛自由詩217-2-28
十月二十七日(木)_夜- 服部 剛自由詩216-12-8
十月二十七日(木)_午前- 服部 剛自由詩216-12-8
十月二十三日(日)_夜- 服部 剛自由詩216-12-8
十月十九日(水)_午前_- 服部 剛自由詩116-12-6
十月十三日(木)_夕方_- 服部 剛自由詩116-12-6
旅人の手- 服部 剛自由詩216-9-20
いのちの音- 服部 剛自由詩216-8-26
鳥のひと- 服部 剛自由詩116-8-12
揺れる、瞳- 服部 剛自由詩316-8-8
透明の街- 服部 剛自由詩216-7-26

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