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いつもの店のいつもの席で
ちょうどよく酔ったその後で
独活の酢味噌和えという旬のものを
うすうす噛んで
うすうす僕は
ひっそりとニンゲンをやめるのだった
右の席からは仕事の話
左 ....
手に持った花だけが赤くて
微笑みは色づくことなく
そんな夢の残り香だけが
寝ぼけまなこに引っかかってる
言葉にした途端に取りこぼしてしまう
こころの音階
りんごをりんごと
恋を恋 ....
小さな家のベランダに
くつしたが干してある
大きなくつしたはお父さん
中くらいのはお母さん
ちっちゃいのは赤ちゃん
足の家族
川の字に並んで
風に吹かれてる
空き地の真ん中に
青い椅子が置いてあった
誰かが捨てていったのか
少しだけ古ぼけて
四本の足をきちんと揃えて
誰かが座るのを待っているかのように