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{ルビ蜩=ひぐらし}の かなかなかなかなかなかなかなかな……と歌う歌声が
空へ心地好くひびく
一人 林の陰に立ち 傷を思う
傷の増えた この銀製の指輪は
あの人が亡くなった頃に求めたもので ....
これは墓まで持って行く。
そういうひみつがひとつくらいあるのではなかろうか
わたしにはそれがある。
これは墓まで持って行く、と
目をつむり見つめる
ひみつを見つめたあとに
見あげた空は ....
水の惑星の縁に群れる雲は
答のない問いをささやき
そよ風といっしょに耳をなぜる
私は私の影なので
生き身は自然からのかりもの
魂は何とは言い切れない何かへとつながっている
雪国の
....
手を合わし目をつむり
「みなさま
今日も一日 ありがとうございました
今日もこうしてお休みできます
ありがとうございます
みなさま
お休みなさい またね」
と夜の布団の中で声を ....
雪道の直線を通りすぎて春は、
来ましたか
今は真冬、雪国の
雪と暮らす。私は
独りいつまでも
春を待つ。果して
いつか
空は澄み渡り澄み切って
いずれ
風も青く染まる ....