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適当に引っ張り出したTシャツから
今は使っていない柔軟剤の匂いがする
どうせ乾いていく通り雨の先
住宅街の暗闇でこっそりと線香花火に火をつけて
笑い合っているうちにぽとりと落ちた
光の ....
嵐の到来を伝えるラジオの音
突然の雨がアスファルトを冷やす
雲が覆い尽くした赤黒いアーケードを足早に歩いた
湯気のように霧散していくこともなく
ただじっとりと身体に纏わりついている
ぐず ....
デパートの屋上で子供の頃の願望が簡単に拾えてしまう
少し汚れたパンダにまたがって、ためらいなくコインを入れた
童心に帰るほど、帰らなきゃいけない距離ができたこと
まだ寒い春の昼間に
花粉症 ....
そうや、おらんかったね
自分以外の人がいる居間は暖かかった
冷えたこたつの中で丸く、眠るその影に小さく蹴りを入れても
明日もそうだろうね、言い訳することもないよ
灯油を乗せた車の音楽が ....