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柄杓の水は
揺れていた 一つの言葉のように
だが青い空の深みに俯き
だが石たちの慎ましい薫りに愕き
私たちは 黙っていた 私たちは
小さな山羊たちが
ぬれた坂をおりていく
夕暮れ時は、浜からの風が
舞いあがる砂と 金いろに踊っていた
こんなことも すぐに わすれていくのだろうが
私たちは ....
日もくれているのに
女の子たちが鬼と遊んでいる
鬼はわらっているようにみえるが
ほんとうはぜんぜん笑ってはいない
むらさきいろの心がわけもなく歯ぎしりをする
....
四角い形をした
それは別れの言葉だった
きみのくちびるは歌わない
ただ、冬の風にかわきながら
いいよどんだり
いいまちがったり
いいきったりするだけ
....