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バーカウンターで一人呑んでいると
ひとつ空席を挟んで 右隣のサラリーマン風の男が言った。
「どうせ俺は会社の、一つの歯車に過ぎないからさ」と。
おいおい、冗談じゃない ....
この季節の雨音は、近づく春の足音です。
街の影に隠れていた雪うさぎたちも
一斉に次の冬へと旅立って行くと
“また来るわぁ。”と
駆け足の2月もすれ違いざまにささやい ....
冷たい風が、街路樹のあたりで、
キョロキョロと挙動不審で。
一瞬でマンションのベランダに駆けあがると
干されていた白い洗濯物を奪って逃げた。
空を眺めるのが大好きな僕は ....
ガラスいっぱいに広がる黒に、
顔を寄せすぎるほどよせて、おさなごがさけんだ。
ねぇとおちゃん!
なんだい、坊?
問いかけられた髭面の男は
グラスの琥珀を半 ....
人からたまに言われるさ。
「いつも楽しそうですね」
「ちゃんとしててすごいですね」
「きれいにしてて素敵ですね」
・・・etc.
もうちょっと近づいて、よく見てご ....
私がこうして何かを書けば
あなたは“それ”を読んでくれる。
きっと、そんなに面白くもない
たぶん、どちらかっていうとつまんない
口語体が多い“それ”を
いつか ....
何もかも、失ってしまった。
そう思えてしまった時には
自分の手のひらを、そっと開いて見てほしい。
確かに、その手のひらには何もないけど、
だけど ....
ある日
小さな「面倒くさい」と出くわして
何気に後回しにしてしまう。
だけども、後回しにしたことで
視界の隅に追いやっただけのつもりが
いつしか ....
自分の手のひらを見て思うんだ。
僕に、何かが出来ないかなって。
この手で何か、人のために
作ったり
奏でたり
守ったり
描いたり
....
あなたにとって思う、
偉人、英雄、天才ってどんな人?
そうね
世界には
数多くの偉人伝が伝わるけど
どんなに強くて
どんなにすごくて
どれだけ天才であ ....
思い出の中に君の顔を探してみるよ。
それは遠い日の記憶
君はいつも笑っていた。
くだらない冗談でふざけあって
些細なことでもおかしくて
君から僕が目をそ ....