すべてのおすすめ
       うす汚れた魂を
       夜更けに洗う
       洗面器に冷たい水を張り
       ひとつまみの塩でもみ洗う
       不信と後悔がにじみ出て
     ....
     つぶれたスーパーの裏には
     ひとり郵便ポストが立っている
     その赤いからだは色褪せて
     ところどころが剥げている
     スーパーとともに忘れられ
 ....
     ワイルドストロベリー / 和名(エゾヘビイチゴ)
            
 
     苗を買って植えた
     幸運と奇跡を呼ぶといわれている
          ....
     星がみえぬと
     嘆くのならば
     夜ごとまぶたを
     くちびるで塞ぐ
     それは塩辛く
     わたしは夜に
     海をみる

 ....
      その横っ面を
      おもいっきり
      はり倒す
      
      約束をまもらぬ
      ろくでなしの
      
      横 ....
      あなたとわたしは一膳の箸でした
      年を経た槐の木から
      それはそれは丁寧につくられて
      生まれたのでしたね
      ある朝 ....
      あなたにあげる
      おおいぬふぐりのあおい花
      うぐいすのなきごえ
      おひさまのあまい香り
      はるの日のはじまりを
 ....
      あなたが浸る湯船にうかぶ
      ひとつのゆずになりたいと
      からだの芯まで温めて
      すこやかなれと
      やすらかなれと
       ....
       ぴんとはりつめた
       そらのした
       つめたいかぜが耳をなで
       にぎりしめた指先が
       ポケットのなかでかじかむ
   ....
      かぜは冷たく
      日のひかりも少ない中で
      みどりの葉を増やしつづける
      寒さがやわらぐころ
      真白き花を咲かせるだろう
 ....
      家に帰り寄り添うように暖をとる
      鳩たちをベランダから追い払う
              
      スーパーで半額と札の貼られた
      フライ ....
        流れ星をみつけては
        「る」とちいさく声にする
        さむさにふるえ
        さいごの一文字ばかり
        くりかえし、 ....
   大通りを一本奥へはいった
   ラーメン屋の先の三叉路の角っこに
   その八百屋はあるんだ
   狭い軒先に段ボールが並べられ
   曲がったキュウリや
   太さも大きさもまち ....
だれかの帰りを待ちながら
とんとんとんと野菜をきざむ
だれかの帰りを待ちながら
からからからとグラスを鳴らす
だれかの帰りを待ちわびて
ぽろぽろぽろと頬ぬらす
今度生まれてきた ....
スーパーに並ぶ玉ねぎは
じつは人の魂です
皮をむくたびによぎるものあり
涙がとめどなく流れます
玉ねぎを最後まで
むいてはいけません
むいたらそこで、おしまいです




 ....
    サンダルを履いた踵は
    うっすらと紅く
    右手のビニール袋からは
    ネギの緑がとびだしている
    歩くたびにガサゴソと
    にぎやかなさびしげな
     ....
             

             毛布の中で
             顔をうずめた 
             
             汗と熱のこもっ ....
           人のまばらな駅のホームで
           うなじが捉えた陽だまりは
           やさしいまでに背を撫でる
           電車がくるまでに ....
      さくらの花びらにあなた宛ての
      手紙を書きました
      そろそろ、そちらにつく頃でしょう
      花びらが散りましたら
      したためた詮無き ....
            横たわる男のひげは春を待つ
            閉じられた青白いまぶたの奥で
            なにを夢にみるのだろうか
            弥 ....
                拳のなかで
                石は砕けて粉と散る
                返す言葉はどこにもなくて
           ....
         枕だきお嫁にしてと寝言ちる
         はだけた足を夜風が舐めた












 
              死んでしまいたい夜に
              みそ汁をつくる
              干からびた大根のしっぽを
              短冊に ....
             あの豆腐屋の
             角をまがったら
             朝がくる
             豆腐屋の朝は早く
            ....
             ねむれぬ夜に枕抱き
             布団のなかで寝乱れる
             寝巻きの裳裾はだけては
             さむいさむい ....
              小石は沈む
              一瞬の音をたて

              ふかく
              しずかに
    ....
           朝のニュースより


             今朝方未明、すずめの涙に溺れたとみられる
             中年の女性が遺体で発見されました。
       ....
        

        暖房のきいた薄闇のなかで
        ことさら物憂げにゆっくりと
        衣服を脱いでゆく

        (ここはそういう部屋だから)
 ....
           


           らくだ色の毛布のなかで            
           ひだまりに
           あたまを撫でられた
        ....
たまさんの石田とわさんおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
洗面器にわたしが溢れるとき- 石田とわ自由詩32+*13-1-22
きみを忘れやしない- 石田とわ自由詩12+*13-1-20
白い花と赤い実と祈りと水やり- 石田とわ自由詩9*13-1-20
夜に海をみる- 石田とわ自由詩17*13-1-18
あしたのジョーになりたい夜に- 石田とわ自由詩10*13-1-12
一膳の箸- 石田とわ自由詩16*13-1-8
はるをつめこんで- 石田とわ自由詩11*13-1-7
ひとつのゆず- 石田とわ自由詩11*13-1-5
そらとホームとはじまりと- 石田とわ自由詩13*13-1-2
春を待つ苺- 石田とわ自由詩5*12-12-31
鳩と半額セールとクリスマス- 石田とわ自由詩7*12-12-24
るの想い- 石田とわ自由詩10*12-12-15
夏八百屋- 石田とわ自由詩12*12-12-9
音のある部屋で- 石田とわ自由詩10*12-12-7
玉ねぎほどの魂- 石田とわ自由詩8*12-11-15
薄紅いに染まりし夕暮れ- 石田とわ自由詩6*12-11-2
背骨と小犬- 石田とわ自由詩8*12-4-16
陽だまり- 石田とわ自由詩8*12-4-9
てがみ- 石田とわ自由詩8*12-3-20
春とひげ- 石田とわ自由詩6*12-3-15
言葉と祈りと拳のなかで- 石田とわ自由詩12*12-2-25
枕抱く- 石田とわ短歌4*12-2-7
大根が泳いだら- 石田とわ自由詩8*12-1-28
豆腐屋で朝をみる- 石田とわ自由詩12*12-1-25
ひとり寝慕情- 石田とわ自由詩7*12-1-23
沈黙- 石田とわ自由詩6*12-1-20
すずめの涙- 石田とわ自由詩7+*12-1-11
モノローグ- 石田とわ自由詩2+*12-1-9
まどろみ- 石田とわ自由詩10*12-1-6

Home 戻る 最新へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する