ちか道を知っているけどおしえない 君との時間が縮まるようで
はえ際に濡れるうぶ毛を ひそやかなものにたとえる ばれないように
百年が経てば僕たちも街も無くなることだし 遠まわりしよう
....
高層ビル群の彼方に
鮮やかな青と緑を
見ようとしてしまう旅
虫食いだらけの想い出を
あまりにも流暢に
語ろうとしてしまう旅
すれ違いざまに香った懐かしさに
誰かの後姿を
追 ....
商店街の提灯
もう七夕だ
熱いアスファルト
かき氷食べたい
打ち水をする
おばさん
自転車のお巡りさん
豆腐売りの兄さん
寿司を握るぞ
猫も喜び
ビール片手に
暑気払い
....
べつだん躊躇ったりすることもなく
無造作に引きちぎった胸元のボタンを手渡してくれた
「ありがとう」
「礼なんていらないよ
こうするものらしいしさ」
恥じらいをみせれくれれば可愛い ....
学生のころ帰省の旅費を稼ぐため、廃材の釘抜きのアルバイトをしたことがある。
真夏の炎天下で一日中、バールやペンチを使って材木の釘を抜く。ただそれだけの単調な作業だった。
毎日、早稲田から荒川行 ....
勉強するぞ!
偉くはならないぞ!
夢を諦めずに
実現してみせる。
ファイアー
金持ちの株主が
発信するテレビに
洗脳されず
わが道を行く
ごく限られた人が
幸せになれば
....
よるが青かった
星がすこし散らばっていた
このなんねんか
いつも腹が痛かった
死んだらこの青いよるに召されるのなら
こわくなかった
あそこにいけるのなら
こん ....
昔の女などとゲスなことをいう僕
君の唇は
刺身を受け入れるため開かれて
刺身を咀嚼する際の唇の動きに
見とれている僕は
一個の変質者
一〇年ぶりにあった君は
食事の手 ....
ハーモニカの小さなキーホルダー
これ 読んでみない?
と
「クリームレ ....
{引用=
満月の夜には
外にでてはいけないと老婆はいう
ふらふらと外にでて
川を遡上
青い山に囲まれた
いちばん星空に近いその湖に行ってはいけないと
ゆらめ ....
朝露を感じ
深呼吸する
平和な日々
何も無い時
花が咲いた
鳥が歌った
風が笑った
月が泣いた
芽が膨らみ
時を待って
心が澄んで
想いを貫く
窓がとぶ
屋根がとぶ
全裸のマネキンが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる
傘がとぶ
帽子がとぶ
純白のパンティーが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる
笑いやがれ、
笑いやがれ、
笑 ....
いちを超えたら
それはやはり欲望なのだ
どれだけ切なくたって
それはやはり欲望なのだ
それをしずかに見守る者よ
正眼で唇を引き締める者よ
炎を背に剣を手にする者 ....
抽象画家が描いた
うつくしくはりめぐらされた運河
本流が支流になって
クモの巣状の千の川になる
―― そこに
ジェルマン
という街がある
静電気をおびた ....
夜更けでも賑やかなるやマクドナルド老婆らの笑声少女らに負けず
真っ白な机に{ルビ身体=からだ}を曲げてのせ陽気な洋楽こもり歌にする
深夜四時ふと目が覚めてみな帰る家あると知る独り我 ....