人づきあいは苦手ゆえ
頭に猫をのせることにした
出会う人たちは皆
頭の上の猫に気を取られ
(毛並みをなで
 喉をなで
 さかんにじゃらし)
私のことは気にも留めない
そのすきに私は
 ....
    木目の美しい一膳の、
    箸に惚れた
    色香を漂よわせ
    朝に夕にと
    おいしいものたちを
    口に運び入れ
    わたしに感謝の咀嚼をせが ....
流れ星、ながれた
願い事している間もなく ながれて消えた
淡い光が むなしく 闇夜に吸い込まれて 消えた

白い鳥、逃がした
唄わない鳥は いらない と言って逃がした
白い羽根が  ....
膝を折りたたんだままで夜の中に沈んでいく、ついこの間まで鳴き叫んでいたはずの虫どもはすっかり死んで沈黙してしまい、取り壊された隣家の建物のあとの更地に生えふさぼった雑草 .... いのちのかぎり・みたせ・ゆめよ・ゆるぎのないいのちのおびを・ふとくふとくあざなえ・いのちのかぎり・いでよ・とわに・あふれでるいのちのみずでみたせ・いのちをとわに・いのちのみずで・みたせ・このみずの .... あなたのために
と前置きしてもらわないと
わかることができない
愚図な女の子がいて
街頭でこの年の終わりにも
募金箱をかかえている
お金は思っていたように
集まるし
思っていたように
 ....
  あまい針を舐めながら あなたは
  世界の骨に温かな肉がともされるのを見ていた
  だれかがあなたの内側に積もった雪を道の傍に退ける
  そしてもう一人のだれかがその雪をさらに傍に退 ....
 

 素通しの硝子窓に手をあてる
 冷たさが指先から染みてくる
 色合いのない平板な曇り空に
 送電線がいびつな罫線を引く

 息せき切って駅へと歩む人々
 何か買いたい物でもあるの ....
借りたてのアパートの
白い壁の
ざらざらした
感触に
うつろな視線を投げかけている
手のひら

からはじまる
小さいメソッド

何時間も壁ばかり見つめています
することがないので ....
上空とかってーまじすげー色
今日の退屈感が浮かんでたり
噛み砕くそういうのの
いろいろな感触が
胃の中で溶けてく
メルトダウンしてたソファーで
助けれない
ふんわりと
 ....
 

カブトムシのような角を頭につけたい
と、ネコが駄々をこねる
説き伏せてミニカーの助手席に押し込む
おもちゃだからエンジンはないけど
ぼくはハンドルを握り
海岸沿いのフラワーラインを ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
  空色の
  ポリバケツに
  堆積する



  首を
  寝違えた詩人の
  寝違えた詩



  綺麗で
  あくまで綺麗で
  読む気がしないほど綺麗だっ ....
積もり積もって壁に
わだちが残されている。
破裂したタイヤは
ツナギを着た若い作業員が運んで行った。
躊躇いがちに灰が落とされる。
それと一緒に砂埃を含んだ風が
ショウウィンドウについた手 ....
 3DSを買った。
 早速、妻に自慢してみた。案の定「貸して、貸してぇ」と騒いで来る。単細胞過ぎる、貸したら最後どうなってしまうかまで分かってしまう。だから絶対に貸さない。

 あれは、妻がDS ....
組み立てられた

空の下

落ち葉が土に

帰る頃、

分別できない

悲しみが

私の前を

歩きます。


( 祇園精舎の鐘の声 )


曜日を知らない

野良猫も

冬の寒さは

知っていて、
 ....
もうやめにしたい思いだった
それだけの心だった


私は 何かを 見ていた
全ては どこに 転がっている


タクシーを そして 拾うために
バス停に立たされた


どこに ....
野はどこまでも、たいらかで広々
ぼくは花の数をかぞえる

やさしい
雲の群れが
やさしい
雨を
ふりまいてすぎたあと
うすく差した
ひかりが虹を
つくる前の
ほんの一瞬
よみが ....
嘆こう
いつか早朝のラジオで聴いたんだ
「前半しっかりと絶望すること。
 それが復活や飛躍への、ステップになるのです」
私たちの脳は生きるために
絶望と絶頂を繰り返す

友だちが教えてく ....
{引用=
ゆるい傾斜を登ってゆく
幸せそうにショッピングバッグを抱えた女にとって
街が壊れたよるを窓から眺め
水晶の破片が星のようにきれいね、と
うたうことだって可能なのだろうか
その美し ....
塩素の匂い。水面に、空が映り込んでいる。プールの底も、同時に、透けて見える。プールの底も、空も、同時に、空であって、プールの底であって、同時に、なくて、Clと書くのだよ、塩素は、と教わった。空、と、プ .... 寂びれたジャングルジムの
緩やかな回転

両手から垂れる、紙袋の重に
あれこれと理由をつけて
過ぎるのは、老舗の薬屋前


橙とオレンジの区別で
夕闇を匂わせられる今でも
 ....
よだれの涙は流れ出た
何も知らない 私は
眠いのであろう たぶん 何も理解できない
悲しさをひとりで理解させられた
私の存在は 一体 何なんだろう


私は たぶん 何も知らない
 ....
道ですれちがった猫が
めすかもしれない
ということを
たしかめるために
あとをつけて
さわろうとしても
みをかがめて
さけられたから
世間から
拒絶されていると
いうことが
わか ....
かつて
わたしたちの知るところではなかった雪を
当たり前にながめるわたしの感受性のなさ



たった二十年前、人は雪に触れることを許された
その五年後に、地上に最初の街ができ
更に五年 ....
君がいないのは何故だろう
鏡を いつも そこで 見ていた気がした
一体 何なのだろう 私とは
唇だけが とても 愛しい


君から 馬鹿にされているように思えた
こんな時代に 男であ ....
希望を全て 捨て去った
浮浪者ではない 私は
歩こうとした きっと 私は 人だった
そして 一体 何を そこで 望んだのだろう


しかし 私は 街の中に 立っていた
未来には見えな ....
私は幽霊だ
自分を無くした 私は
私の中の世界を歩かさせられた
ああ でも 私は 眠った


何も知らない 私は
時の流れを見つめて 歩いた
ああ 何も知ろうとしないのであれば
 ....
暗さも引き連れた
仄かに蒼い空

微睡みの中
思考と景色の温度が一致する

足先から砂になり
蒼い風に流される


午前4時
私はそっと
景色に溶ける
私という人間は、一冊の本なのです。 

四角いからだに手足を生やし 
不恰好に揺れながら 
人々の間を往くのです 

私が通り過ぎる時 
誰もが振り返り 
「何だい奴は」と{ルビ嗤=わ ....
mugiさんのおすすめリスト(42)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
猫かぶり- やまうち ...自由詩10*15-1-12
夕餉の風景- 石田とわ自由詩13*15-1-12
流れ星、ながれた- 南無一自由詩215-1-11
時間の概念の分岐、無数の死体を振り回し、すべてに点火しろ!- ホロウ・ ...自由詩1*14-12-27
いのちのかぎり・みたせ- 南無一自由詩1*14-12-26
…午後から首都圏は雪- もっぷ自由詩614-12-23
あまい針- 草野春心自由詩614-12-21
硝子窓- 青井自由詩214-12-21
パーソナルスペース- 塩崎みあ ...自由詩13*11-5-20
ノークラウド- モリマサ ...自由詩511-5-19
フラワーライン- たもつ自由詩511-5-19
四行連詩_独吟_<都市>の巻- 塔野夏子自由詩5*11-5-19
捨てられた詩- 草野春心自由詩13*11-5-8
[:weight]- プテラノ ...自由詩411-4-27
復讐に燃える妻はきっと、液晶保護シートを剥がしてしまうだろう- 光井 新散文(批評 ...211-3-25
【薄色】- 白こうも ...自由詩111-3-25
冬の雨- 番田 自由詩111-3-24
3月の即興2- 橘あまね自由詩611-3-21
嘆く背に桜前線の風が吹くように- たちばな ...自由詩19*11-3-19
何も特別なことなど起こらなかったように- 高梁サト ...自由詩911-3-19
pool- 益子自由詩211-3-18
エントランス- 山中 烏 ...自由詩4*11-3-17
はさみこまれて2- 番田 自由詩111-3-11
ユーディカ- 6自由詩311-3-10
記憶喪失- kawa自由詩211-3-4
3月_南北線- 番田 自由詩311-3-2
3月_代々木- 番田 自由詩211-3-1
2月_中目黒- 番田 自由詩211-2-28
午前4時。- 蒼井真柚自由詩9*11-2-25
幸福の本_- 服部 剛自由詩811-2-24

Home 次へ
1 2