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倦んでいた
人ごみを避けると風が冷たかった
空の色が変わろうとしていた
古本屋でたまたま買った
サガンの「悲しみよ こんにちは」を
喫茶店で一気に読み終えたあと
いたたまれなくなって
ひ ....
私は拒否された
冷たく重い扉の外で私はゴキブリのようだった

歯の奥でコンクリートがじゃりじゃりする
深夜四時
新聞受けに挟んだ手を抜くこともできぬまま
このまま朝まで過ごすのだろうか
 ....
あなたに齧られた痕
二の腕の内側にくっきりと刻まれた
あなたの歯型
一晩たって紫色を帯びている

そっと唇を触れてみて
こんなやわらかい肌に
あなたが突き立てた歯の力強さを思う
そんな ....
夕方と夜の境目
湖畔の輪郭が紫色に曖昧になったころ
湖に身を乗り出し水平に手を伸ばすと
足元に流れ寄る無数の細かな波が
浮力となって
まるで
湖の上を滑らかに飛んでいるかのような気分になる ....
民次郎さんの岡村明子さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
十月×日- 岡村明子自由詩603-10-4
むし- 岡村明子自由詩403-10-2
歯型- 岡村明子自由詩203-9-17
フライング- 岡村明子自由詩903-9-17

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