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水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人

遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤

水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい

丸ボタンひきちぎっても ....
空中に放り投げたる自転車の車輪の下の花びらが好き


背景として描かれる枯野にてかんざし拾うそれはゆうやけ


水没す古代遺跡の燭台にふたたび炎が灯る邂逅


風邪薬ばらまく園児裏山 ....
ラインストーンふた粒はがれた日のようにさよならって言ったほうが勝ちなの



彼氏くらいいるんでしょってモノグラムの財布撫ぜてるひとに問われる



ゆめのなかほんとうの家族に愛される ....
眠ってるそうではなくて沈黙よあなたを葬るながいまばたき


肉食の僕を嫌いと言うきみもすでに世界に捕食されてる


夜遅く広い畑に穴を掘り埋めるという名の行為を見てた


寄り添って ....
変色を免れていたあの日彼が歌集に閉じた水色の蝶


傷ついて体操座りで一千年蝶の呼吸と風化を見てた


美少年微笑している美少女の水晶体の奥でこはれる


もういちど橙いろの明るさに ....
寝転んで椿に話しかけるとき午後の紅茶もすでに冷たし


海のない地表の上を航海す既に明日も干乾びている


夕映えの冬の湖凍りつく阿修羅のごとく人生は鬼


バランスをなくしたきみは ....
青空は世界の王である午後にやきそばパンを買いにゆくとき


みとれてるあなたの美脚やきそばの麺の細さを味わうように


屋上であなたとふたり風に似る高鳴る胸の火災報知機


焦がれて ....
少女たち暗黒舞踏を踊る夜旧市街へと駆ける少年


少年が少女の着替えを待っている土の器をふたつ並べて


蜜だらけベッドの上で酔い潰れ蛇足過剰の花をむさぼる


張り詰める音楽室の黒 ....
思い出は美しかったと過去形で静かにきしめ回転木馬

さようならまたこんにちわ結局はどこにも行けない回転木馬

夕べから眠れませんという君に回転木馬の歌を聞かせよう
暖色の山の合間の分岐点開花未遂で冬がはじまる


先輩と呼ばれし秋の公園の噴水近くのベンチにも冬


少年が少女に呼ばれ午前二時 雪の黒さを確かめている


ひとひらの雪を蛍とたとえ ....
今青き蛇の抜け殻くぐりぬけ廃墟のごとき雨の降るかも


コスモスの群がる丘で赤と青 少年少女が燃やすむらさき


錆び付いたあなたが今夜もあらわれて僕のくちびる噛んでさよなら


降 ....
夜にしか会えないわたしたちだった合わない靴を無理して履いて


クラクション鳴らすあなたの矛先はわたしと彼女のちょうど真ん中


コーヒーを投げるあなたの手の平は薬指から冷めてゆくのね
 ....
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど


まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜


悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れな ....
あんたの短歌はフルーチェの匂いがするね愛しいだけさ


真白なTシャツで作ったフラッグを振る死んでも名前は同じでいたい


眠れないのは誰のせい深夜音楽番組を片っ端から惚れる土曜日

 ....
バス停で君を待ってる手の平に人とゆう字を千回書いて


鉄棒に逆上がりして校庭を空へと落とすサッカー部員


難解な数の定理を飛び越えてブッダのように眠ってるきみ


教科書の隅に落 ....
ほの暗い世界に浮かぶ首筋に沿われる指がナイフに変わる



地図にも載らない楽園を住民票にも載らない妹の兄一方通行



百回目姉と知りつつ背徳を覚えて二人鉄柵越える


 ....
まどろみて戦闘服のポケットの内なる闇で文字となり待つ


幼少時蝶を追ひ駆けあきらめた崖の上にてそろへ置く靴


砂山にトンネル掘りてやがて夜未だに指はつながらぬまま


裏山の茂み ....
幽霊もいない病院もうひとり幽霊じゃないきみとさまよう


麻酔薬月夜にぬれてこぼれてるコンクリートはすでにふにゃふにゃ


スタンバイされても困る手術室「メス!」ってあたしのことかしら
 ....
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人


森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森


瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
 ....
 



晴天は、たくさん好きな人がいて、その人が死ぬと大声で泣く。




抜歯したあとでミスドの店員と腑抜けな笑顔を見せ合っている




関われる話題がないのでROM ....
飛行船はるか下方に点となり僕らふたりは帰れないまま


「ふらわぁ」と君がひとこと呟けば辺り一面芽吹きだす花


明け方に鏡の部屋に迷い込み乱れ咲いてるきみの朝顔


花園で追いかけ ....
うそよりもほんとの方が痛かった 居たかったのはあなたの隣

「君いつもひとりでいるよね」「違います隣に居るの透明人間」

透明になればこのまま居られるの? 問うてはみても応え返らず

返す ....
てのひらに真珠ころがす幼子の瞳に宿る夏の新月 廃校の壊れた椅子に腰かけてひとり君待つ四学期かな


朝礼で神を失う君を見てはるか昔のあの地を思う


漆黒の絶縁テープ巻きつけてアルバム燃やす十月の夜


体育館裏の壁際いつまでも ....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか


「五千年前の約束忘れたの?」花火しながら妹が問ふ


昆虫がふたりの為の出会いなど知らづに運ぶ花粉かな


警報機こわし ....
居るような君の気配を探している沈まない陽の五月の駅で

不意に出るひとつ外れたアクセント「そやね」と夏がちかづいている

このまちが逆さにうつる残り水その向こう側に居るはずなのに

あ ....
寝坊した夏が廊下を歩いてく 桃のジュースの腹をかかえつ

空いろのシーラカンスがゲップをすればこの裏庭に風が吹くのだ

カオティック・コースターだよお立ち会い 飛び出す顔のお兄さんだよ

 ....
有邑空玖さんの短歌おすすめリスト(87)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
貝殻骨- 佐々宝砂短歌905-2-9
SENTIMENTAL_COUPDETAT- 本木はじ ...短歌18*05-2-7
さよなら、人魚- 汐見ハル短歌605-1-31
優しいひとへ- 本木はじ ...短歌11*05-1-30
第六世界- 本木はじ ...短歌805-1-1
REDMEDICINE- 本木はじ ...短歌604-12-23
若者的最高峰- 本木はじ ...短歌1204-12-12
少年少女探歌- 本木はじ ...短歌1304-11-14
回転木馬- 山田せば ...短歌804-11-9
開花未遂- 本木はじ ...短歌604-11-8
退色未遂- 本木はじ ...短歌2804-11-2
Wicked_Child- 本木はじ ...短歌9*04-10-28
PASTICHIO_MEDLEY- 本木はじ ...短歌16*04-10-6
十年後から- ピッピ短歌1104-10-4
FAREWELLAFTERSCHOOL- 本木はじ ...短歌1004-9-28
月光欲_(本木はじめ「夜光中」に寄せて)- ピッピ短歌5*04-9-14
OURDARKPLACES- 本木はじ ...短歌404-9-10
To_Cure_A_Weakling_Childish_So ...- 本木はじ ...短歌804-9-10
瓶詰めの森- 本木はじ ...短歌1604-8-26
カンパリ(comparing)- ピッピ短歌8*04-8-19
HANGINGGARDEN- 本木はじ ...短歌9*04-8-16
- 鈴本 蘭 ...短歌4*04-7-1
水無月- 桜鬼弓女短歌304-6-23
死期- 本木はじ ...短歌1304-5-28
廃失者- 本木はじ ...短歌2604-5-24
君を探している- たにがわ ...短歌804-5-13
人生の夏休み- 石原大介短歌6*04-4-18

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