すべてのおすすめ
あかい
甘い
すっぱい
でも耳がある
かわいい
ニャーオ
ゴロゴロ
でも
美味しそう
ねこ
食べちゃった
時々家に帰ってくる君に
野菜を食べさせなくちゃと料理する私
君は
張り切らなくていいからと言う
じゃあね、また来るからと
出て行くときには
うん、またね
あっさり見送る
君が初 ....
私の知らないところで
私の吐いた言葉がトゲを持ち
誰かの掌を刺す
私が投げかけた一言が
誰かの心の壁に
釘で打ちつけられたレリーフのように
いつまでも掛っている
私がそれを忘れた後も ....
グリルの中の
魚のように
何度も
何度も
裏返され
生焼けのまま
今夜も
薄明かりの下を
彷徨う
行けど
行けど
見つからない
百目の案山子が
跳んで追いついてくる
ぬか ....
歯ぎしりしないよりは
するごまめでありたいと思う
井戸の底から出られなくても
空を見上げる蛙がいい
賢い猿になれずとも
見て聞いてものを言い
出ないより
出る杭でありたい
....
からからからから囁く声
冬の神様が
落ち葉のカードで占いしている
シャッフルシャッフル
さあ一枚ひいて
雪が降るのは明日です
とたんにゴーと風が吹く
この忙しい年の瀬に
冗談じゃな ....
焦げ付いたワインレッドの残り火が
目に焼き付いた
角を曲がる時ほんの一瞬見上げた空
次の角まで行った時には
もう消えているのだろう
建物の傍に続く歩道を
急ぐともなく歩いた
けれ ....
薔薇よ
かくも烈しい
おまえの怒りに
一瞬にして触れてしまった
不意をつかれてたじろぐ私の指先の
見えない程小さな
けれど思いのほか深い傷から
みるみる膨れ上がって
指を伝って流れた色 ....
「在宅のみとり講習会」という見出しが眼にはいった時
「のみとり?」と思ってしまった
ペットの蚤でも発生しているんだろうか・・と
普通に思ってしまった
記事をよく読むと
「在宅のみとりに必要な ....
{引用=―ルシーの物語を読んだ時、私は十四歳だった。物語のルシーは死んでしまったので、私はルシーの続きを生きなくてはならなかった。―}
*
僕たちは何度もすれちがい
そして ....
冴え渡る青一色のそら
家々の屋根は
くっきりと尖り
わずかに色合いの違う木の葉も
それぞれに自己主張する
一枚一枚のさようならが
鮮やかに翩る
秋の日の真昼
かぜが
ここよここよと
ささやいている
こっちだこっちだと
よんでいる
どこ?
ぼとぼと
がさがさ
どんぐりが落ちるたびに
音が
響きわたる
響きが増殖して
沢 ....
冷たい雨が降り続く
冷たい雨が
靴を濡らす
季節は落ち葉の底深く
沈むように眠りに落ちる
望みは断たれ
願いは口を噤む
もう金輪際
雨が降り止むことはない
と
濡れた落ち葉は断定す ....
荒んだ気分に吹かれているのも
快速電車の乗り心地です
時に青白い猫が追い越して行くのも新鮮
手放しで夜道を直進するも悪くない
見通しは甘くありません
集会に行くのだとばかり思っていたら
対 ....
たとえ
風化した夢の流砂に足を捕られ
概念の骸に
躓いても
滴る汗や粘る唾液
ではなく
目尻に薄く滲む涙に
遠く虹を映し
地の底に匿された
泉を探し
彷徨う一頭の駱駝が
貴方であ ....
もう一度
巡り会えると思っていた
例えば
白い窓枠の廃校舎
花壇
の隅に埋めた
解剖のフナ
誰かが拾ってきた小鳥
教室で飼っていた金魚
アコーディオンを弾いていた先生
転校していっ ....
背中から滲み出ていった
粘性をなくしさらさらたあいなく
細胞膜を圧し拡げ
やがて満ちてくる
潮の匂いを
含む泥水
糸は震えず
笛は鳴かない
風が吹くたび
飛ぶ 砂の荒らさ
腰か ....
身の程知らずとか
自惚れ
自己満足と言われることが
そんなにも
辛いので
君が背負ってきたのは
身を隠すための
大きくて重い
空っぽの自尊心
翔ぶことも
大洋に漕ぎだすこと ....
密着する
二枚の硝子の間に
挟まれ
光を透す
スライスされた脳細胞
彩色を施され
プレパラートになった私を
沢山の私達のあいだに
並べる
ゴムの手袋をはめた指
皮膚の記憶を ....
純度だけは
高かった
未熟な幼い
私の愛を
貴方は
シャーレに入れ
蓋を被せて
純粋培養しようとしたから
それは
純度の高いまま
根深い憎しみに
変貌しました
....
9月の朝には
怒りの帆を揚げた船が行く
9月の夜空には
羽ばたきをやめない鳥たちが
どこまでも転げ落ちていく
お前は赤いサンダルで
落ち葉を何枚踏み躙ったか
9月の朝に
僕は卑 ....
逃げている
追いかけてくるものから
ひたすらに逃げる夢
スローモーションで
お決まりのように
足が重くて
だるくて
走れないのに
すぐそこにまで
迫りくるものから
逃げている
....
書けないときは
過去作でもなんでも
コンスタントに毎日投稿し続けて
さくさくお茶を濁しつつ
ポイントだけは
こつこつ稼ぎたい・・と
いよいよポイント依存症になりつつある
という自覚はある ....
誕生日だね
おめでとう
生まれてきてくれて
ありがとう
そして今日まで
生きてきてくれて
ありがとう
君の愛する家族と
君を愛する友人たちのすべてに
ありがとう
い ....
とろけるチーズのように
僕の心臓に絡みついていた
君の言葉は
冷めて
剥がれ落ちてゆく
今日からは
雨も風も雪も光さえ当たらない
地下歩行空間を
僕はずっと歩いていく
誰とも ....
山形のだだちゃ豆をいただいた
採れたてを宅配便で送ってくれるので
翌日には届くそう
鮮度が落ちないうちに
すぐ茹でて食べてね
お裾分けするなら今日中に
すぐに小分けして
おつきあいの ....
その虫は
どこからともなく現れて
花に潜り込んで喰っている
払い落そうとしても
逃げもせず
しがみついて
貪り喰っているので
憎らしい
しかもとても醜い虫で
気持ちが悪い
その虫の ....
心細さを擽る風が
お腹の底を吹いたかと思うと
今朝からは
おびただしい数の赤い蜻蛉が
突然現れたにしては
脅威的な確率の高さで
ペアを組み
次々に風を横ぎっていく
二匹ずつきちんと ....
並ぶつもりで
並んでいるのではないし
何億光年も離れた小さな星の住人が
語り伝えた
神話など知らぬ
集まって
輝いているように見えても
それぞれ
果てしなく遠い
線でつな ....
おかあさん覚えていますか
私が生まれた夏の夕暮れ
たった一枚残る写真に
疲れ果てやつれた様子の
寝巻の母に見守られ
同じように疲れた顔の
小さな赤ちゃん
夏のお産は大変だったことでし ....
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