すべてのおすすめ
木蓮が咲いていた
咲き初めの蕾かもしれない
どこかでミモザも咲くだろう
さくら木も紅く染まるだろう
繰り返し繰り返し
繰り返すことで育まれて
否応もなく育まれて
....
うしなわれたことへの
とうめいないさぎよさ
ぼくよ、たちつくすな
かこからのびてゆく
みらいをむそうする
うしなわれたことへの
とうめいないさぎよさ
....
ひとを刺すことも
フルーツを剥くことも
できる包丁のようなもの
生き物を潤わすことも
土砂崩れを起こすことも
できる雨のようなもの
行いや物言いや思いとは
き ....
失われちまったもののよこで
潮風に吹かれていた
貧しい暮らしはあたりまえのようで
ぬくもりを確かめれば
ふたりこんなの初めてだった
いちご畑で待っていな
もう触 ....
こどものころの道
それはまだ土を固めたようなのが多かった
そんな道がまだ残っていただけなのかも知れない
そんな道にあった水たまりが映していた空はきれいだった
青くて水色で白くて ....
普通にしてるのに
涙が流れる
無味無臭の
ガスにやられるのだ
連絡を絶つ
息をしてる
普通にしてるのに
発作で夜中起きてしまう
薬を飲むと
楽 ....
何が大切なのか
どうせ技術的なもんだいなんだ
ロープウェイが孤独だ
秋の山道から海を見にゆく
曇天にバンドネオンが鳴る
善心、前進、大往生!
過酷な生活、だれが決めた?
踏切、横断歩道 ....
津波がこようと
今いるビルが折れようと
ゆうべの孤独や
目覚めてすぐの傷みや不安や
そんなものに襲われようと涙しようと
愛や魂を信じることが出来る
そこには陳腐 ....
こんなに木に光をまとわせたらいけないよ
ツリーに光を飾るのは
大きな木のしたから星空を見つめる
そのものまねなんだから
もうすこし減らしたほうが
星空を見つめているような気になれるから
こ ....
中国が
その歴史が
対岸が
憧れや不思議であった頃
文明がくすんで霞む
学びの対象だった頃
ぼくらの国を脅かすこともなかった
夜が明けるようにめくられた
精神かどこかで感じていた
....
扇風機
からだを触れる
風そよぐ
たぶん
きっと
副交感神経
がんばりすぎだよ
死ぬことが恐くない
死んだことだけ残念な
そんな人生ならいい
....
イエス様
僕からの声だけ
聞いてるのずるい
イエス様
あなたの声が
聞こえない僕にも
夕焼けのイエス様
イエス様
声をください
気づきませんか
あなたにすべて
お任せします
してます
イエス様
....
月のそばでよこになる
半分の月が星をしたがえている
きのうまた行ってしまった
ことしもう三度めの大きな発作だ
思考を放棄しても
なにか考えごとをしてしまう
泣いてい ....
月の光がぼくに問う
ぼくもまた心のなかで
それをひとに問うのだ
楽しいことを
見つけたときのように
ビニールが発する光の
美しさや無意味さのように
き ....
昨夜も死と戦っていた
胃カメラを飲むように
ぼくは死と戦っていた
ずん胴な土管をイメージして
胃カメラをやり過ごすように
染み渡れ、縋りつけ、寄るべなき生に
薄 ....
やわらかい命たち
やわらかいその時代
ほのかな湿りと肉体に
都会の青空
ごちゃごちゃ煤けてとけていた
自由だった
悲しみつきぬけていた
ていねいだった
....
音なくひかりだけで
さくらが爆発している
いきものたちの銀河
散ってゆく
さようなら
いきものたちの銀河
さくらが爆発している
音なくひかりだけで
....
生き物は死ぬために生まれてきたんじゃない
そう思わなきゃ
津波でなくなったひとたちの無念や恐怖を
ぼくはうまく受け容れることができなかったよ
自分にコントロールできないことは気 ....
冷たい雨つぶ
まいにち続く忘年会
たぶんそんな連中だろう
理由などない
暇なわけでもない
そうやって万が一の時の為に生きているのだ
それぞれべつべつの連中と
いくにちも繰り返すのだろう ....
小学生のころ
朝起きたら
遠くて近い
そいつをベランダに探した
そいつのうえ見上げると
月がのこっていた
歯がぐらぐらしている
あの頃こどもの歯がよく抜けた
あんまり抜けるもんだから
....
白いおこめをぼくは買った
あなたのからだよくなるように
白いおこめをぼくは買った
二人のいのりかわされるように
シャケのおにぎり
緑のブロッコリー
小さなお弁当 ....
すっきりとしない水色の空
街道を行く車はなかった
きょう退職のひと
日だまり
じっとした桜
電車にゆられて
こんなもんだと
こんなもんだったかなと
すっ ....
大きな地震がありました
とんでもない津波がありました
爆発して放射性物質が飛びちりました
自然もにんげんがつくったものも
にんげんも
こころの行き場に無関心でした
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