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わたしは
書いているのではない
わたしは
聞いているのだ
   
本当のことは
聞くことしかできない
ただ
耳をすませて
ただ
手をこまねいて
   
聞くことの充分に満ちたと ....
朝刊を取ろうと外に出て
ふと見上げた空には
星が一列に瞬いていた
わたしは清らかになった
ふりをして
冷たい朝の空気を吸い込む
正しいこととか善いこととかから
いくらか距離を取ってしまっ ....
ひさかたの
氷水

君だけに
伝えたい比喩

わかるかな
かわるかな

千年に
一度の平日

一年に
千度の平熱

燃えない
ゴミの日

誰かの心に
凧が上がる日 ....
まよなかに目覚めて
眠れなくなることがある
ピストルでも撃とうと二階へ
ぼんやり階段を昇っていくと
どうしたことかいつまでもたどり着かない
奇妙に思いながらも昇り続けると
いつのまにか階段 ....
雨が降り出した
街が洗われる
忘れた方がいいことが
無数にあった
手を挙げてタクシーを停める
肉球は見えないように
行先を訊かれて
nearと答える
「外国の人?」
車内では
天気 ....
一人暮らしの私の家に
奇妙な動物が紛れ込んできた
害はなさそうなので
飼うことにした
白くて丸くて
わりと愛嬌がある
たてがみは赤く
瞳はつぶら
私は日中この動物を
なでて
だきあ ....
夜の公園を歩く二人は
茂みのむこうに一匹の
アリクイがうろついているのを見つけた
なぜ、こんなところに
動物園から抜け出したのか
それともどこかで飼っていたのか
あるいは皆が知らないだけで ....
天使は近眼
俺がどんな表情をしているか
見えていないのさ
同僚の悪口を言うとき
明日への怯えを口にするとき
どんなに醜い顔をしているか
天使はだまってこちらを見ている
そしてふくろをがさ ....
家に帰ると
娘らが星を食べている
お椀にいくつか
飴玉ほどの小さな星屑を入れ
テレビの教育番組など見ながら
気軽に口に運んでいる
おいおい、いいのか
と思ったが
今日日やってはいけない ....
阿ト理恵さんのやまうちあつしさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
HB- やまうち ...自由詩2*17-1-17
星空銀行地球支店- やまうち ...自由詩5*15-11-15
アメノチ- やまうち ...自由詩2*15-8-22
はしご- やまうち ...自由詩3*15-1-27
長靴- やまうち ...自由詩6*15-1-18
ぽけもん- やまうち ...自由詩4*14-12-16
アリクイのアリバイ- やまうち ...自由詩4*14-11-25
近眼天使- やまうち ...自由詩314-8-18
おやつ- やまうち ...自由詩1214-8-4

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