秋の夜長が静かにこちらへ歩を進めている
もう虫が鳴いている
昼間の入道雲が萎んでしまえば
いそいそと秋が町のあちらこちらに姿を見せる

ところがどうだろう
私はまだ秋の準備ができていない
 ....
低価格が売り
のイタリアンレストランチェーンで
今日も時間を潰している

学校帰りの高校生集団
乳児を連れた家族
帰りに一人で夕飯を食べる会社員

そういえばこの店では
おひとりさま ....
言葉を抜き取ったら
私は
空っぽに
なってしまうのだろうか

愛情を表す表情は?
哀情を表す表情は?
こんなこと誰にも訊けないよ

胸の中に
タイムカプセルを埋めたの
お菓子の空 ....
みなみ風
母子を包む
蝉しぐれ
言葉をなくし
影を見つめる

くれないの
空に流れた
ヴォカリーズ
橋の上から
瞳を落とす

その名前
忘れたはずの
君の名は
ぼくにとっ ....
スカートを揺らす風にも嫉妬する
恋をするって忙しいもの

目が合うと君の力は無敵です
今日も言えないイヒリーベディヒ

放課後に残り香全部集めたい
明日も好きでいられるよう ....
箱の蓋閉じて鍵してリボンして…溢れてこないで君との思い出 おやすみの点呼は二回息を吐く
今日の思索を脱ぎ捨てながら

行儀よく今日の寝床をしつらえる
繭の機能を備えています


錠剤を飲み下したら探しだそう
数えきれない
羊の群れを
 ....
高校の卒業旅行の折、詠めるうた。

桜散る空は見遣らで
独り座す伽藍の内に落つる閑けさ
昨日をかばんに詰め終えた
坂道 秋の木立 四種類の蝉の歌
清掃工場の煙突と浄水場のタンク
ダンスを始めた稲穂たち
鎮守の丘と用水路
高速道路の高架橋
思い出の風景をぜんぶ閉じ込 ....
スーパーマーケットの
タイムサービスで
父が売られていた
お惣菜売場の隅に
さみしそうに立っていた
私が買った
うれしそうな顔をする父に
何か食べたいものはないか尋ねると
 ....
百年も
経てば世界の
人口の
九割近くは
骨になってる






















 ....
海よりも空よりも青い夜を泳ぐ 果てたからだは一つによじれて 思い出の
ベスト盤まで売り払い
家賃に替えて
明日を目指した
ぴん と張った
木枠の布に
ぷすりぷすり

針を刺す
 
あなたが
毛立て器で撫でる糸面は
決して
綺麗にぼかされることは無く
千切れた
刺繍糸と
毛羽立 ....
波乃さんのおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏なつかしく秋になく- 木屋 亞 ...自由詩4*10-9-2
イタリアンレストラン- kauz ...自由詩6*10-9-1
詩を書くこと- Akari Chika自由詩2*10-9-1
あこがれ- 紅糸短歌110-9-1
片恋のうた- 橘あまね短歌310-8-30
忘れられない…- ユメサキ ...短歌210-8-29
ねむれますように、のうた- 橘あまね短歌510-8-28
桜散る空に- れもん短歌2*10-8-28
夜に歩けば- 橘あまね自由詩910-8-26
タイムサービス- 小川 葉自由詩14+10-8-26
誰も気になんか留めてねぇってばよ- TAT短歌3*10-8-22
夜の魚たち- はるな短歌410-8-11
ひとり暮らし- TAT短歌3*10-8-9
文化刺繍- 鵜飼千代 ...自由詩4*10-7-12

Home