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かなしみがとことこ
ひとりでにあるきだして
どこかとおい
うみにかえると
いいな
いとしさがふわふわ
かってにとんでいって
いつかどこかの
きみにとまれば
いいな ....
さみしさが
キラキラと
まどガラス
はりついて
まどガラス
すりぬけて
よるのまち
とんでった
さようなら
このぼくの
さみしさよ
さようなら
めを ....
愁い棚引く九月はゆらりと
恋人のくちびるを
柔らかく止める
ほんのりほてった袂を
上げて私は
そのくちびるへ駈け寄るのだ
吐き出す息がすべて
九月 ....
甘えたがりやの
夜空と
哀しがりやの
僕の間を
繋ぐように
踊る花火
笑いながら
歌いながら
きっと涙にも滲まない
その色たちが
特別なことなんて
何 ....
不思議を紡ぐ
くちびる
空を沈む炎
ちりり
時が焦げる
明日を忘れる
満ち渡る静かの
眼差し
まどろみの絹
ひたた
無に ....
さっき
ガード下で出会った
あのカエルは
ホントに
カエルだったんだろうか
なんて
考えたりする今夜の僕は
ホントに
僕なんだろうか
前を横切る人は
高らかに今宵を謳う
横で凭れる人は
とりとめのない今を送信する
見限るよりも密やかに
夜は悲鳴を上げて
人々に目を凝らす
ああそして
....
よくある日曜日だ
塩入りの湯に
ぷっかり浮かんで
野良の歌に
流れて途切れて
一日という区切りの
不自然さにまた馴染んだ
寂しいほどのシンプルに
頬を寄せる
....
身を隠すような
今宵の月に
僕の言葉を
飲みこんでもらおう
取り繕う間もなく
今日の日は終わり
帰り損ねた熱だけがまた
ここに{ルビ蹲=うずくま}る
....
人恋しさを巻き付けて
八月が
扇風機に踊っている
遠く水玉に散る
記憶の夏たちにシャララ
と手を振って
分からず屋な夢の中へ
颯爽と君に
渇きに行こう
この真夜中の
この静けさに
チラチラと
狂気は降って
闇の秒の遅さと
生の流れの速さに
僕は怯える
明かりを付け
異国の古い
映画に紛れながらも
こ ....
ごろんごろん
ところがって
きみのそばで
みとれちゃう
ごろんごろん
ところがって
きみはとおく
はなれちゃう
やさしくない
きみだけどさ
やさしくない
....
心細さにうつぶせて
哀しく疎ましく
しょぼんと僕の影が
そこいらで
くたりと寝そべっている
今宵
僕に声は無く
ただひたすらに
ただ
ひたすらを
求めて黙り
....
ひび割れた
石の階段で話そう
どうせなら
星も呼ぼう
僕らも宙に浮いてる
お昼ごはんを
考えるより
大事なことがあるんなら
きっともう
眠ったりしない
....
▲
そして
どこまでも
群青の闇を往く
魚のあとを追い
かつての白い肌は
鈍く焼けてしまった
水の角を曲がり
更に水を下る
....
泣くのが
難しいときは
笑うのも
難しいとき
ちゃんと
泣けるときは
ちゃんと
泣いとこ
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