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夜は死ぬ
その中に秘密を宿らせたまま
ふたたび夜が生まれ変るまでの
小さなひととき
人は夜がその死に際して降らせた
ばらばらの
暗い破片を
胸に突きさしたまま歩く
何かおかしい
どう ....
春の鼻先で鶯どもが歌う
淋しい発声練習
その声に誘われて わが幼年の町へ向かう
死を虐殺する季節
音も 物も
すべてに色がつき始めるが
この骨のような町はいつまでも
錆付いた単色のまま
....
はら
はら
落ちる
散る
風邪をひいた 熱 まだ、散らない
生まれ、愚鈍の、花
さっきまで
五月まで
月までの遊覧飛行、
乱費す ....
ふけよふけ風よふけふらふらとふらつきなが
ら歩く背中を笑うように風よふけふきげんな
女のみにすかあとをひるがえしふせいみゃく
にくるしむ老人ののこりすくない頭髪をおび
やかしふるいぺえじをめく ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
その人は起き上がる
いまだ眠たげな目をこすりながら
一杯の朝のコーヒーを探し求める
たった一杯で
本当に目が醒めるのなら
世界は半日ごとに覚醒と睡眠を繰り返す
整理された場所になるだろう
....
不幸な者が飢えるのは
あまりにも遠くを見すぎるためだ
降りそそぐ朝の洗礼に
われわれの首筋は鈍く痙攣する
釣り上げられた魚が
苦しげに未完の呼吸へ焦るように
われわれは前夜の遂げられなかっ ....
田村隆一は太平洋戦争後の荒廃した社会を的確な詩語で捉え、戦後詩壇を代表する存在になった。と、日本の詩の歴史ではそういうことになっているらしい。僕は言うまでもなく戦後生まれ、それも高度経済成長の真っ只 ....
ぷうわり、ぷん
ぷうわり、ぷん
君はシャボン玉のことをこう呼ぶ
膨らんで飛んでゆくさまが
ぷうわり で
弾けて消えるさまが
ぷん なのだろう
ぷうわり、ぷん
ぷうわり、ぷん
....
道は渋滞で
バスの中は混み合っていて
みんな一日の疲労でうつらうつらしていて
外はもう真っ暗で
バスはなかなか進まなかった
ドアの側に坐って
ぼんやりと前を見ていた
ふと目に留まった ....
神が不在の夜
その間隙をぬって
あくまでも地上的な硬い何かが
天上の淡い光を覆い隠す
その時
人びとの喉はゆっくりと絞められ
背徳の快楽に意味のない言葉が虚空にばらまかれる
昔日の絵の中 ....
木葉 揺さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(41)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
夜の鍵
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岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-5-13
骨の町
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岡部淳太 ...
自由詩
4*
05-4-13
薔薇の虐殺
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岡部淳太 ...
自由詩
5*
05-4-3
風のための散文詩
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-3-30
詩人の罪
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岡部淳太 ...
散文(批評 ...
40*
05-3-25
詩人の誕生
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岡部淳太 ...
自由詩
9*
05-3-10
終着の浜辺
-
岡部淳太 ...
自由詩
7*
05-3-3
田村隆一(その詩行のかっこよさから語る)
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岡部淳太 ...
散文(批評 ...
30*
05-2-20
ぷうわり、ぷん
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岡部淳太 ...
自由詩
5*
05-1-23
求めています
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岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-1-16
月蝕
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
05-1-10
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