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長い間 探した虹は見つからず
今日の行方を、風に問う
僕の内面にある
方位磁針は
今も揺れ動いている
風よ、教えておくれ
ほんものの人の歩みを
日々が旅路になる術を
群衆の ....
やがて夜は更けゆき
恐れと不整脈は
徐々に…消去するだろう
私はゆっくり「扉」を、開く
(微かな光は隙間から洩れ)
まぶしい彼方から
誰かの影が
一通の手紙を携え
こちらへ歩い ....
ジョン・レノンのいない世界で
僕等は何を歌おう
時代の不安にも
群衆の病理にも、薬は無い
夜の部屋で
壁に掛けられた絵画の風景
二十一世紀の廃墟を見渡して
塔の高さで立つ巨人 ....
(いきよう、いきよう、いきよう)と――
この体中に張り巡らされた、血の管を
絶え間なくも流れゆく
命の声は何処へ往く?
昨日?
今日?
明日?
いや、今だ― ....
無数の髪は今日も伸び
目は開き
耳は聞き
鼻は吸い
口は吐く
首は支え
手は掴み
左の胸は一生涯とくり、とくり、と脈を打ち
腹は昼頃、鳴るだろう
そしてお尻はもよお ....
道に信号があるように
私達の日常の旅にも、信号がある
「赤」で立ち止まる時があり
「黄」で慎重になる時があり
「青」で迷わずゆく時があり
ゆずること、待つこと
走り出す ....
「人生は、まさかという名の坂がある」
ある日、同僚は言った。
愛する{ルビ女=ひと}と結ばれた僕は
30年住んだ実家を出て
12年詩を朗読していた店が閉まり
10年働いた職場か ....
「私が、」を脇に置く人は
世界で最も素朴な花として
天に向かって咲くでしょう