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私の胸に
一つの小さい門があり
見上げた天井を透きとほって
下りて来る階段とつながっている
何処からか
さりげないピアノの単音が響けば
昔の誰かの足音が
この胸の門に入 ....
聴く、という姿勢で
石の上に腰かけ
微かに首を傾けながら
瞳を閉じる少女よ
冬の冷たい風に襟を立て
凍える私の前で
風に耳を澄ます
銅像の少女よ
閉じた瞳の裏に ....
ほんとうに美しい音楽は
自らを主張せずに
日常を漂う
作曲家が世を去って久しい
遠い異国のカフェで
頬杖をつき
もの思う私の胸に
ふっと、灯はともる
瞳を閉じれば ....
先頭の、早稲田のランナーが
歯を喰いしばって近づいたので
歩道で妻と旗ふる僕は
「わせだぁ〜・・・!」と、叫ぶ。
二番手の、東洋大のランナーが
汗を滲ませ走っていたので
....
疲れた同僚に声をかけ
代わりにゴミ袋を、捨てにいった。
困った顔した同僚に声をかけられ
休憩時間を少し削って、手伝った。
(あなたを助けたい)という一念は
口に出さなくとも ....
毎日僕を職場まで
車で送ってくれる君は
無邪気な少女になって
窓越しに、手をふる。
門の前で振り返り
いつもは緩んだ顔を
きりっと締めて
こめかみにあてた掌を
真直 ....
のび太君はいつも
スネ夫にからかわれては
頭が煙の昇るエントツになるものの
テストや体育の時間になると
何故だか決まって、負けるのです。
そんなスネ夫にも
時折気まぐれの風 ....
哀しい破片がばらばらと、街には落ちて
いるのです。涙の如くきらきらと、冷た
い路面に光るのです。{ルビ理由=わけ}も無くあの日
地上に産み落とされた、みなし児達の星
屑です。羊飼いの面影で夜 ....
君よ、忘れたもうな
いかなる時もあかい実を{ルビ包=くる}む
透きとほった
ほおづきの殻のあることを
今年の仕事を終えたら
君に贈るであろう恋文を
旅先で開けば
ぽつん、と雨が落ちて来て
便箋は、嬉し涙を
てらてらと浮かべていた
食卓の{ルビ笊=ざる}の上に置かれた
柔らかい柿達は
それぞれに傾きながら
ひそひそと、会話をしている
( 厨房では蛇口から
ぽとん、ぽとん、と水が鳴る )
初老の ....
ほんとうに心配なことは
まるごと天に預けよう
あまりに小さいこの両手は
潮騒を秘める貝として、そっと重ねる
あの塔の頂に立って
私は何を、視るだろう。
遠方の高見から眺めれば
近過ぎると醜い人の世も
小さい蟻の人々も
昨日喧嘩した家族の憎い顔さえ
愛しく思え
見渡す街の霞 ....
乾 加津也さんの服部 剛さんおすすめリスト
(73)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
二重のまなざし_
-
服部 剛
自由詩
4
11-2-4
裸の木_
-
服部 剛
自由詩
7
11-2-1
無題_
-
服部 剛
自由詩
6
11-1-21
箱根駅伝_
-
服部 剛
自由詩
4
11-1-6
日溜り_
-
服部 剛
自由詩
2
10-12-29
朝の合図_
-
服部 剛
自由詩
2
10-12-29
ドラえもんのいない世界で_
-
服部 剛
自由詩
3
10-11-28
星々の唄_
-
服部 剛
自由詩
2
10-11-12
殻_
-
服部 剛
自由詩
6
10-11-1
無題
-
服部 剛
自由詩
1
10-10-31
夕餉の後_
-
服部 剛
自由詩
3
10-10-25
貝の祈り_
-
服部 剛
自由詩
6
10-9-28
夕暮れの塔_
-
服部 剛
自由詩
8
10-9-25
1
2
3
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