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現実らしきものの断片が
観念的時間系列の中で
現れたり消えたりしている
僕はいつも目覚めたとき
もっと正確にいうなら
目覚めたと感じるとき
自分の呼吸器系統が
機能しているかどうか確 ....
だれにもある 約束
いちにちいちどの彩りだから
乱暴な手さぐりで朝を
朝を失くさないで!
テーブルにひとつずつ料理を整えるしかたで
わたしも わたしに埋もれるあなたにも
こ ....
宵のそらを見ていたら
きゅうに体がいっぱいになってしまった
寝そべる山の稜線が
きみの額にみえたの
たちあがり ゆらいで消える
とりとめもなく広大な
だけど身近で
見ていたら ....
青い葉を濡らす滴を
指先で弾いた
確かに躍動する心をもって
雨傘を愛でる
土のにおい、が立ち込める
トマトの苗を植えたとき
爪を黒く染めたあれのにおい
官能的に厚く漂う
雨上が ....
踊りましょう、と誘いの蔓をはりめぐらせて
日没前のクレマチスが笑った
思い出せるだけのメロディを
イヤフォンから流し入れて
電子化されたそれらすべてに
からめとられた夕暮れ
何がしたい ....
みずたまりにうつる眼のふかさを知った
それは空腹をうったえていた
またたくと俤もきえた
あさましいおまえを
最初からさいごまでみつめてた
・
スピカ、昔の話をしよう
ネットカフェで安物の映画を見たね
白黒で、音質も悪くて、それでも
主人公がさいごにひっそり自殺するシーンは素敵だった
アパー ....
うしろ向きに歩く
温い風が背中にささって
微妙な痛みを感じている
「すべての季節がおわったらあいに来てください」と
そう言ってきえていったきみ
はじまりを忘れてしまったか ....
あなたの
瞳が
おくゆき
をもって着陸しようとしている
まっすぐ平行していた、している
黒線
左右のバランスがおかしい彼女は
しっかりとした楔を
そなえつけられていて
と ....
世界を変えられるとか変えられないとか
そういうことをいちいち誰かが細々とつぶやいて
それは確かに誰かの耳に入るけれど
結局うまく回らないまま、落ちてしまう
{引用=爆撃の音がきこえる、夜
....
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