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どこかでいっていた
これは歩行ではなく、舞踏
おそらくワルツではなくてポーレチケ
農作業の脇にあるビニールハウスの片隅の
犬に養われている小菊
下り坂の途中で干からびてい ....
こどもたちが
口を真っ赤にしながら
園庭であそんでいる
誰かをつかまえ
気に食わなければ噛みつくために
こどもたちは
細い睫毛にひとつずつ
金銀の王冠をつけており
その毛並みは ....
言葉が僕たちを汚さなくなって
久しい
お悔やみに
少し遅い桜の木の下に
鉛の文字を埋めてみた
泥が手にはね
鉛の文字は
薄荷棒のように冷たい
桜は八重だったと見え
あれよあれ ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート
ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない
わたしたちは
いつか家 ....
オミオツケが欲しい、と
書いて送ってみる
あなたと
繋がりたい 繋がりたくない
そのどちらでもない
灰青の砂に
うずもれていく白いかかと
すがる花がらと
たちのぼる月、銀色
行き
来する鳥が
銀盤に あばたをこしらえ
あちらに巣がある、
と君は僕を振り返らない
....
曇天の空に
はりつめる夏気の
清らかなうとましさ
そして
むらさきのむくげ
気付くなという忠告
それが聞こえる胸のうち
そう、もう気付いている
それでも気付くなという忠告
....
カズラが花をおとし
森に住む蝶が
深々と死にゆこうとする八月
砂地から
こころないひとが訪れる
こころないひとは
分銅の肩を持っており
踏み入ると
腐葉土からは
ムクゲの細かいし ....
あなたがあまりにも大きく樹をゆらしたので
花びらが落ちているのだった
色とりどりのかみふぶきに混じって
潔白な白がくるりまっているのだ
地上ではパレード
美しくなった出会いと別れへの ....
二匹の鮭が
内蔵を捨てられ
切れ端をからませていた
私の手はまだ薄いが
母の手は血にまみれている
頸骨ははさみでぶち切り
卵と白子は引きずり出した
その度にあがる、歓声
嬉 ....
港に来たら、花は散っていた
ノウゼンカズラが
地上に口付けている
おぉんおん、
おぉんおん
遠くではまだ咲いている
向こう岸の工場の灯だ
向こう岸の工場が
....
砂丘であなたに会いたかった
あなたの足をつかみたかった
行き倒れる寸前の
砂に埋もれたあなたの足を
谷であなたに会いたかった
あなたの骨を接ぎたかった
花をとろ ....
性交の時のあえぎは
どこまで聞こえるのでしょうね。
かなしみや
よろこびや
いとしさは
どこまで響くでしょうね
知って伝わって
心っていわれてるものの中で
精錬 ....
うっかり秋口に
スリップ姿で煙草を吸いに出た少女は
うっかり14歳のおとこのこに
エッチされてしまった
灰皿代わりのペットボトルを
少女は死んでも手放すまいと思った
....
a
せかいは、ぼくはここにいるの
だいがっしょうでまるでしんでいるようです
あまりにこえがおおすぎて、
もうききわけのつかないのです。
あれはだいすき ....
蜘蛛みでだべ、
あたしの白ぇむなもと、に、
まだ恋してらった。
蝶みでによ、
からまってらった。
もういねえのによ
そこに蜘蛛だば、
んだはんて、
こうやって
ひとりでねらんだ。
兄は云う
この井戸を掘り返してなるものか、
と。
野井戸はけして深くなく、
雨水が満ちているのだが。
野井戸はすでに開かれて、
....
ひだはそれを吸い込んで
ぼくはたとえば茫然とし
まるで関係のなさそうななにかに
縋ろう縋ろうとするさまはこっけいなんだろうと思う。
風鈴がな ....
ひるがえる灰色のシャツ
がそっぽを向く夕暮れ
の片隅に咲いている花
とそれをなじるあなた
本当は愛してたいのに
を口にしないひと
そして思ってもいないのかも
と勝手に悲し ....