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宿泊客を
一つの虚構として捉えてみた場合
ホテルは有料の空き部屋で
人々を
無限小の潮騒として受けいれるなら
わが罪も この星の思い出
調べを許しあう乾次元と湿次元の潮目で
なめらかに噛み砕かれ
時計神の血肉となる「震え」
くびれよりの滴りでしかないのに
濃度差で上/下に分かたれた空間から
現と過とが
在と去へと 翻ってゆ ....
読者は地熱に埋もれている
毒蛇は先年の先年から透きとおっている
対比に肥えることなく
懐柔も望めない
自らをつきやぶった芽の、理学に
再び覆いかぶさるようにして
罅にしみこむようにして
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