話しかけたら
おこられそう
こわいこわい
ああこわい
ふれたら
吠えられそう
ああ
こわいこわいこわいこわい
同じ人間だというのに
なぜだかこわい
そんな私のおもいなど
....
細胞のひとつひとつが
ふつふつと沸騰しはじめ
身体ぜんたいが熱を帯びる
生きている ....
月がない
言葉がない
居場所がない
いたたまれない
それはまやかし
時は熟した
歩み始めよう
恐れと共に
いつまでも
しゃがみ込んでいられない
きしむ体を動作させよう
ギ ....
始めから、カップは空だったのだ。
ゆらゆらと天井から吊らされた裸電球にまとわりつく湯気は
確かにそこにあったけれど。
暗い部屋、何度も叫び、黙る、その、錯乱。
底なしに、女である ....
直球だけを
生きる君と
直球しか
知らない俺とが
やっと
いっしょに
なった時
変化球が
生まれる
毎日 同じ時間 同じ場所で擦れ違う
名前は知らない
年齢は知らない
どんな声なのか
どんな顔で笑うのか知らない
知り得ているのは 君が
僕を知らないことだけ
毎日 同じ時間 ....
轢死した秋の残骸
溶けた雪の下から
顔を覗かせ告げる無念だ
何処へも行く当てのない私を
重ねるのは余りに不躾だとカラスは
鼻で笑いながら茜の方へ飛んでみせた
どうしたって勘繰ってし ....
テレビのリモコン握り締めたまま
眠りの入口行ったり来たり
独り暮らしの夜は
意外と長い
貴方の手を握り締めたまま
眠りの出口を行ったり来たり
二人暮らしの夜は
意外と短い
僕のためだと料理を作るエプロン(裸じゃない)姿
そのポニーテールにも魔力を感じる(普段無いとは言ってないよ、一応)
部屋が明るく感じるのは君の笑顔(こっそり変えたワット数の高い蛍光灯を差し ....
あの豆腐屋の
角をまがったら
朝がくる
豆腐屋の朝は早く
....
はなしたいとき
はなせたら
それがことば
はなそうなんて
おもわない
それもことば
そんなふうに
はなせたら
きみとふうふに
なれたのに
さして間もなく惚れました
そして間もなく晴れました
涙がほんのり滲みました
案外あっさり乾きました
願いはいくらか満ちました
想いはいささか欠けました
新たな痛みを知りました
....
ふと真夜中に鏡をのぞきこんだ。
眉間のしわは、わたしはそう思わないの勲章かな。
右にはずし、左へはずれて、ごろんごろん。
蛭にひるを吸われて夜を生きたしるしの肌はエノキダケみたいよれよれ白く ....
悲しい。
良き理解者がいなくなる。
君には「自信を持って」
「感謝して」と言う事を
教わった。
共に泣き、共に笑い
楽しかったよ
時に怒り、時に喜び
寂しい
汗っかきの僕に
....
世界の果てに 椅子を二つ置いて
暮れつづける夕暮れと
明けつづける夜明けとのあいだで
いつまでも 話をしていよう
悲しみに
悲しみきっているふりをして
どこへゆこうかも考える
そんな風にずるいほうがいいのです
純粋って
生まれたばかりの赤ん坊だって
そうではないのですから
人は
初めから罪 ....
どうしようもなく
朝はやってきて
世界は幻なんかではなくて
このまま夢の中にいられたらと思っていても
それは無理で
僕は今日という日の再生ボタンを
無理やり押して
....
寝床の中
遠く微かに
聞こえる犬の呼ぶ声
そこにも僕自身が
いるような
がさごそコンビニの袋から出した
紙パックの牛乳
ちっさいのだったらいいけど
500のサイズだから
少し隠れて ごくりと飲みました
失敗してしまった
仕事の穴埋めに
でてきたオフイスに ....