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雲が夕暮れる
風の跡に色がついている
山の斜面にふたりがいる
ぶらんこを揺らすふたりがいる
幸福はここにもあるし
みらいにも
こんな夕景のようにあるだろう
僕はハッピーエンドな男だから ....
01 目覚め
ひかりを集めた 蛍雪時代は ほたるのひかりまどのゆき
ありふれたひかり啓蒙時代でもあった 蒙には盲の意味もあると聞いた
ひかりがないことを盲ということに怯えた人との ....
銀河を見つめる
昼間の銀河を見つめている
からくりを優しく見つめている
風になぶられる
光にさらされる
力はどこから来てどこへ行くんだろう
花びらの散ったあとを
銀河を見つめる
昼間の ....
おやすみハニー
あったかくして寝てな
動物みたいになって寝てな
脳を休めるなんてどうでもいいことだよ
生きてるもの全員で寝るんだ
生きてるもの全員があったかくして寝るんだ
それがあなたの ....
ぼくらは求め合う純粋だ
ぼくらは最初から永遠だ
服と重さが触れ合うから
隙間にキスをしてしまう
ぼくらは求め合う純粋だ
ぼくらは最初から永遠だ
秋のひとひら
白紙の日記に舞い落ちる
滲みた文字が
やけに霞んで飛ばされそう
移ろいゆく季節にあって
留めておきたい
ひとつの場所
君は覚えているだろうか
僕が挟んだ栞の
あの日
秋がやってきて ....
彼氏彼女という言葉を
つい使ってしまう僕らこそ
恋人、という言葉を選びたい
透明な香りのなかに
いかにも誠実な覚悟がある
修飾語が何であれ
その語尾からは
謙虚な羞恥 ....
赤と白
黄色と 緑
青と 白
色は、散らばる
言葉は、少ない
君の色は
まだ若すぎる
紫の髪
骨と体
服と模様
音と 言葉と
君、私
そうして、それが
またなくなるとき
ぼくらの知らない
夢を ....
mam...
わたしが欲しがらない子でいたために、まち、星が、羅列したお話。
手
ビニール袋
トタン
足音
うずもれた緑だった。
暑い一日の。
汗の粒がなみだみたいに、腕に垂れた。
2010. ....
優美な残酷さと
いち秒を刻む粒子を注いで
それは過去でなく、
飽和された熱核を
幾夜にも渡り積み上げた
反映と対象するホログラム
世界は
あなたの為に夢を観て
....
祈りつづける
明日やいまに
声高らかに凛として
アカペラが
空を渡る雲や風
君来た道にこだまする
カントリーロード
僕は幸せ祈れない
さきにしたのは僕なのに
幸せ祈るまねしたくな ....
雨が煙る
夏の薄ぐもり
校舎は外装工事中
乳いろの海
潜望鏡だして
あっちを覗いては
こっちで息をする
おまえは海だから
おれは両生類みたいだ
敷布にくるまれている
外装工事中のよ ....
買ったばかりの缶コーヒーを
首筋に押し当てながら
見上げる空
千切れた記憶の尻尾が
光りまみれになって
流れていく
街路樹から降り注ぐ蝉の声が
身体をすり抜けようとするから
何処かが痛い
流れ ....
授業を放り出して木曜日2限
今は居ない人の声を聞きながら
いのちのことを考えていた
ぞくりと背中を這い上がる何かはきっと
久しぶりの曇り空のせいで
日に日に減っていく体重も
きっと久し ....
あの空と海の境界は
いとしさを含んだ
やさしさが横たわっている
きみがすやすやと眠る
わたしのひざまくらも
きっときみとわたしの
曖昧なやさしい境界になっている
くっつかないということは
い ....
{引用=憂鬱な目覚まし時計、日常へ旅立つ自転車のペダル、決曜日
ぽっかり空いた胸ポケットに立葵を活ける、華曜日
眠れる森に訪れたファーブルたちの欠伸、睡曜日
静かなく ....
雨が似合う日に
とっておきの
憂鬱を着て
雨が似合う道を
お気に入りの
傘をさして
雨が似合う花に
こっそり
逢いにいく
雨が似合う人には
なかなか
なれそうにないけれど
もう雨は
嫌いじゃ ....
うらぶれた仕事がえり
なんだか日も長く夜7時
微笑んでくれたのは
群青の空と
人工の光だった
否、色に名前をつけ
空をその名で形容したしゅんかん
空は人工そのものだったのだ
家路とはなんであろう
物 ....
{引用=銀色の月を砕いた細雪
虚飾の街にも、しんしんと
上野発カシオペアはふるさとゆき
すれちがう旅人のなつかしいアクセント
耳の奥では遠い遠い子守唄
かあさんの声、 ....