夜はくるのだろうか
何度目を覚ましても外は明るい
詩人は平易な言葉をならべて
わたしにわからないことをいうけれど
とくに支配したいとも思わないから
べつに、それでいいと思う
....
わけいってもわけいっても古い本
この家の主はすべての本に番号をつけて
それが災害でぐちゃぐちゃになってしまってからというもの
番号通りに並べなおすことにのこりの人生を費やすつもりでいる
....
駅前を歩くと
街が
ビルが
私を押しつぶそうとする
私という
正確な座標の
一点を目指して
押しつぶされる
私のそばで
今この街に来たばかりの
かつての
私のよう ....
飛べ
高く 高く
遠く 遠く
何処までも
何時までも
未来へ
その先へ
飛び行け
ついに
質量をうしなって
浮かんでいる
夕焼けに
焼かれてもなお
輪郭を保ち続けて
やがて点となり
そのさらに
小さな点の中心へ
飛行機は飛んでいく
私の知 ....
せいめいを
かいてみてください
あなたが
じぶんのなまえをかけたら
それがこたえです
あなたのりょうしんから
あなたにあたえられたものが
せいめいです
あなたがほんとうに
....
たぶんあの頃の自分とは
全く違う自分で
ついさっきの僕は
もういなくて
感じたことだって
もうその時と違って
ここである意味なんてなくて
....
この世界は溢れんばかりの言葉で
満ち満ちている。
だから僕は詩で表現するのだ
と彼は言った。
僕はわかったようなフリをして
良いね
グッド
と答えた。
彼はニヤリと笑って
今 ....
どうぶつは
おとなになってもなく
うれしいときも
かなしいときも
ここにいるよと
いってるみたいに
にんげんはどうだろう
ためしにないてみると
どうしても
....
ははが
ないている
わたしのしらない
もうひとりの
ははが
わたしのしらない
こえをころして
せなかのむこうで
ないている
しんしつの
きおんが
じょうしょう ....
世界の果てに
ベッドがひとつ
ぽつんとある
父が横になっている
わがままばかり言って困る、と
母から連絡を受けた僕が
その隣に立って
父を怒鳴りつけている
親に向かって ....
むねからひばながでる
ぜんまいのおもちゃであそんでいたのは
きのうのことだった
そぼがそれをみていた
それはきのうのことではなかった
さんじゅうねんの
としつきがすぎて ....
その
せんじょうを
ゆるやかにたどる
双葉にゆるりと
人さし指をひとつた ....
ゆるして
あたまのうしろの
いちばんやわこいところを
食べてしまったこと
知らない間に
食いしばるのが癖になっていた私の歯は
削れてひどく不格好になり
喋れば口内を傷つける
春 ....
愛される喜び
愛する喜び
笑顔が絶えず
誉め言葉が絶えない。
信頼されて
頼まれて
信じて
頼られる
心に光を
心に安らぎを
心に安心を
心に希望を持つ。
言葉の使 ....
私は東京の人になった
東京の人は傘をさす
おちてくるものから身をかくし
熱の拡散を厭うている
私は東京の人になった
どこへ行ってもだいたい
東京の人だと思っていたが
ここ ....