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廃屋に一本の桜が立っている
誰一人愛でる人もなく
人知れず枝を伸ばし
花を咲かす

月明かりの夜
街灯に照らし出されて
ぼんやりと薄桃色の
その姿を浮かび上らせていた

夜の静寂に ....
凍てついた北風に
千切れそうな私の耳が
ちぢこまって 蝸牛

冬枯れた街には
緑も少なく 小鳥もいない
鉛のような 空が重たい

春がこないかなあ……

声に出したら
一歩だけ  ....
車椅子の母の髪をカットした
チョキチョキ ハサミで切りそろえる
黒い髪より 白髪の方が多くなったね

わたしは 母が年を取って授かった
上には 年の離れた兄弟たちがいて 
望まれないまま  ....
石川敬大さんの泡沫恋歌さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_廃屋の桜_】- 泡沫恋歌自由詩23*14-4-1
【_冬の吐息_】- 泡沫恋歌自由詩20*13-2-5
【_母の日_】- 泡沫恋歌自由詩22*12-5-13

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