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さよならは
私にはもう
ききません
夕焼けを背に
赤くなる頬
今はもういないあなたの席すわり苺みるくのストローをかむ
目をとじて
遠いどこかで
目をひらく
ただそれだけの
世界がすべて
わがままで自己中的なわたしでも あいしてくれるあなたが好きよ
わがままで自己中なんて知ってるよ だからこそきみをあいしている
履き慣れた靴を脱ぎ捨て歩き出す 寄せては返す白波の靴
はい、あげる。うれしかったよあのときは あのサボテンは枯れちゃったけど
歯磨きのかわりにぼくはガムをかむ 今までずっとそうやってきたから
春雨に濡れるこうもり傘を閉じ君をついばむしなやかな夜
夢に見たラーメンほおばりきみ想う 夢にまでみた二人の朝日
・国語
休み時間 机の上に伏せられた教科書はみな鳥のかたちで
「死」という字を習い17年経つが何故か未だにうまく書けない
・算数
「算数は嫌いなんだよ数式の突起みてると痒く ....
制服の胸で何かを育ててる紺の靴下はいた娘ら
文庫本読んでる君の眼の中に寄せては返す海が見える日
昼下がりだらりと畳でねむってるわたしだんだん蛇になってく
そこだけが青 ....
「林檎ってちょっと女に似てるから歯を立てるときぞくっとするね。」
夕暮れに秋刀魚さばいてみるのですふと血が見たくなりましたので
夜遅い夫の帰りを待ちながら深く深く爪を切るわたし
....
陽炎を踏み越え君は手を振って、あちら側へと行ってしまった
家じゅうを掻きまわしつつ探したが、あの日の記憶が見つかりません
路傍にはいつも死骸が落ちている、人かも知れぬ、見ない振りす ....