すべてのおすすめ
ねぇ
何であんたたちは
私が嫌いなの?
ねぇ
私はあんたたちに
何かしたの?
昨日まで普通に喋ってたじゃない
担任に対する愚痴とか
今日のドラマのこととか
なのに
....
洗濯物がたまった部屋の
どんよりと重たい空気の中で
ぼんやりと外の景色を見ていた
当たらない天気予報ばかり
色んな予定を先送りにしては
何も出来ないまま一日が終わる
降り続く長い雨 ....
まどろみの中
からみつく漆黒
回帰線の払暁に
失われた光を
閉じた瞳に
まとわりつく陽光
刹那の日常に
安堵の涙を
鳥かごの中で
小さなキリンを飼ってる
餌は野菜だけでよいので世話が楽だし
時々きれいな声で鳴いたりもする
夕焼けを見るのが好きで
晴れた日の夕方は
日が沈むまでずっと西の空 ....
『金子みすずは素晴らしい』
これ、お母さんの口ぐせ
なんで?と聞くと
『だれも気がつけなかったことに気がつけたから』
なんだって
詩人とは、そういうものなのだろう と ....
この世という巨きな檻で
誰もがひとつの「非常口」を探している
それぞれの足首に鎖でつながれた
鉛の玉を、引き摺りながら
背後から迫る炎の手の、一歩先を
脇目も振らずまっしぐらに ....
噎せ返るような鉄錆の匂い
ぞぞぞぞと這い上がる、
正体不明の警告
止まない水音
ひたひたと忍びよるのは
影のない、
転がっていたのは物だった
しなやかな筋肉は硬直を始め
この眼 ....
高架線の流れに押し戻されつつもドア際へ体を寄せれば
やがて天井桟敷の建物が左手に顕れる
夜勤明けの尻ポケットには馬券の束
そして耳に挟んだ赤鉛筆
「穴場に手を突っ込んだ勝負馬券は当然に ....