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こんなことでもなければ
何もこんな時季に帰っては来ない
間に合ったのか間に合ってないのか
話もそれほどしていなかった親戚中が集まって
おじいは三十一だった
その倍以上も時を待って
あたりま ....
ブランコを
こぎもせず
僕はからだを
そこにあずけて

僕の腕
長く
細く
白く
地面にたれて

歓声は
そばにあったのに
すごく
遠くできこえていた

僕は沈んでゆく ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
老女になりたいと思うことがある
老婆 というのでは色気がないので
老女 というのになりたいのである
あくまでも 老女 なのである

お抹茶たてて優雅にきみしぐれなど食べながら
とい ....
留学生のアントワーヌは
フランス人だけど英語も話す
でもわたしはどっちもあやふやで
アントワーヌの言おうとしていることが
いまいちよくわからない

アントワーヌはおしゃれで
見慣れない色 ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
朝日は好きだ
高くなった青空 地平を崩す山々に陽が覗く
朝日は好きだ
肌が寒風を感じる中に 暖かい光が差す
朝日は好きだ
始まるという気がするからだ



夕日はキライだ
終る気が ....
澄みきった透明の緑が痛いくらいの冷たさで私を包み込んだのは
太陽が真上に駆けた昼間だった
太陽が元気をなくしたとき連なったアルミが遠く近い
心の中の未来にだぶったのはきっとおやすみという声が聞こ ....
西病棟の長い廊下に湿ったモップをかけるから
清掃婦の後姿は僕の幼い娘に似ているから
寧ろそれは僕の幼い娘ではなく君に似ているから
決して君ではなかった
何度目になるというのか また「正」の ....
アイではない恋はいらない
コイではない愛はいらない

疾風怒濤 息する暇も無く過ぎ行く日常
風景 変わらずしかし変わり行く
淡々と
歩きなれた道 歩調は変わらない変わるはず無い

そん ....
良いことじゃないか 
……嫌そうな顔をする 何故だ?

バカヤロ 当たり前だろうが
良いことなワケないだろが

? 良いことじゃないか
頭の中、洗ってくれるんだろ?
洗脳 って
午前3時33分33秒になったら
こっそりと本棚から
辞書を取り出してごらん
 
99頁と100頁の間に
もう1頁できていて
そこにはとても大切なことが
書いてあるから
 
で ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
今夜は 
無性に 胸のあたりが苦しいので
闇の中
家の裏山に ドラえもんを探しに行く

おそらく
好物のどら焼きをえさに 
すずめを捕るような仕掛けで
竹篭を逆さにしておけばよい よう ....
縁日で、金魚を取り過ぎたおじさんが、デメキンと、普通の金魚をくれた

縁日で、何もしてなかったのに、右手には、金魚が、2匹いた。

家に帰っても、水槽がないから、とりあえず、1.5リットルのペ ....
【こときり】


(1)

じ〜〜〜
ぱっ
ぱちっ
ぱちっ ぱちっ
ぱち ぱち ぱち ぱち

・・・・・・
これからやっと
盛り上がりそうなところで
線香花火が
力尽き ....
 
 知らない街で
 洗濯物が揺れている
 風に洗われて
 青空を映しながら


 知らない道に
 鳥の羽根が落ちている
 素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
 ....
ジェリーフィッシュのように透明な空を見上げて
ただ真っ白に漂って
雨に髪を遊ばせて
わからないように雲に心を流した
そしてあたしは深い海の色にまで透き通り
ひたすらに君の帰りを待ったんだ
 ....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる

昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが

いい加減にすれ
と言ってしまった

こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君

ふたりで涙を流して ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
水色のコーヒーを飲み込んで

あたしの中の透明は

混沌の紺色に染まりました

幾度となく手の施しようのない紺色は

何を混ぜれば元の透明に戻るのでしょう

自分で飲み込んだ水色が ....
机の上のチョコレート 一口サイズのチョコレート
袋越しの感触に確かめる

「あと、二個だ」

そんな幸せ 私の幸せ
考えることを止めたら人は死んでしまう
悩むことを止めたら人は生きる目的を忘れるだろう

辛目のスパイスは小さじに二杯
それだけあれば楽しめる
人生というカレーの味は。
熱くも無く 涼しくも無く

肌に濡れる風は心地よく また煩わしくもあり

音は無く

揺れる木葉は遂に無言

それを何と呼ぶかは人の自由で

ただ「微風」と 私はよんだ
 赤いランドセルは女の子の特権よ
 真っ赤な真っ赤なランドセル
 その中に
 金魚の群れを飼っている
 小学校三年生の夏

 真っ赤なランドセルをせおって歩く姿に
 隣の家のえみりさんを ....
使っていない電話器が時々鳴る
コードは何処にも差してない
その受話器が持っていた番号は
もう何処にもないんだよ
遠い昔つながっていた
あなたの電話番号も
もう何処にもないんだよ

あな ....
ソラノツバキさんの自由詩おすすめリスト(39)
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シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
あるカーブで- A道化自由詩3204-10-8
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すれ- ミサイル ...自由詩61+04-5-18
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ちっぽけ二つ分- 白峰=黒 ...自由詩1*04-4-20
辛さの割合- 白峰=黒 ...自由詩2*04-4-19
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