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原野は朝露ぬれている
心もすっかりぬれている
さて旅の始まりだ
風が吹いたら始まりだ
トコトコトコ
歩けば荷物が揺れる
荷物なんてのは名ばかりだ
揺れる心が分かれ道
....
朝でも 昼でも 夜でもない
永遠に続く 冬の黄ばんだ夕暮れ
狂おしい町の風景
射光の跡を追う
強いコントラストに
明らかな形の針葉樹
見覚えのない風 ....
不在のあなたに手紙を書こう。季節はすっかり夏になったと。
あの苦し紛れの日々は終わったと。
なだらかな背に流れる
夏の日差しは
存在の側から送る今生の別れなのだよ。
不在のあなたは私を苦しめ ....
在り得ぬ場所を記述するために
一本の樹木のてっぺんにのぼり
上昇するもの 落下するもの を
確認しなければならない。
(ときに鷹は天に向かって堕ちるから)より多くの
生物の鼓動を 聞き耳 ....