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踊るように、街を歩くひとがいた。
両手首に輪を嵌めた、杖をつきながら。
僕の肩越しに密かな風をきり
横切った、彼の背中はおそらく求めていない
これっぽっちの、同情も。
不 ....
僕の履いてる靴の踵は
ぽっかり穴が、空いており
電車待ちのベンチや
仕事帰りのファミレスで
片足脱いでは
いつも小石を、地に落とす。
給料日が来るたびに
「今月こそ ....
気づいたら、すでに私でした。
鏡に映っている、ひとでした。
産声を上げる場所も
時代も
両親も
自分という役を選ぶ間も無く、私でした。
砂浜を往く、亀に憧れ
黙ってそこ ....
鼻の曲がった顔や
頭から花の咲いた顔や
横並びに展示された様々な顔達は
新時代のモヤイ像
小さいギャラリーにふらりと
立ち寄った僕を、和ませる
{ルビ硝子=ガラス}の石の ....