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花を買う悲しみ
ガーデンハウスにたち寄ると
いつも悲しみにおそわれるのだ
花、
ひとつの記号だ
花を渡す、花を育てる、
花を貰う、花を頼まれる、
花を買う、
ぼくらが花を行為とするとき ....
こんな日にはかぜも湿気てて
死んでるのに
生きてるみたいなお昼まえだ
さとった訳でもないのに
さいきん
胸にくるようなことがなくなった
こんな日にはふゆもほどけて
日だまりの影を送りた ....
ギアチェンジするとは
おおきな存在に
身を任せてゆく覚悟のことだと思う
どんな悲しみでも
日々の暮らしのなかに
お任せされてゆく
どんな河でも
その河口ではもう海に
お任せされてゆく
....
夕暮れに迷いこむ
迷いこんだつもりもないのに
迷いこんでいる
青灰いろに
おかされてゆくまえの薄暮
じぶんが何処へゆこうとしているのか
一瞬、いや、しばらく分からなくなる
それはまるで ....
歴史的なエピソードにこと欠かないこの地で
芦田川について語られることはあまりない
芦田川の河口はもちろん海とまじりあうのだが
見つめていると
この川が本質的には海であることがよくわかる
芦田 ....
遠い明かりほど
美しいと感じる窓は
寂しい反転だ
「出てきてくれないと、さよならが言えません」なんて
君がいつもの優しい声で言うから
余計にここに閉じ籠ってしまいたくなった
「寒いでしょう、さあ」
ねえ、君はいつだって正しい
寒いよ
すごく ....
乗車率180%だとアナウンスがあった
指定がとれずに仕方なくホームに立っていた
ぼくたちはそういう刑に服する囚人だった
宇宙のどこかで
ぼくたちの身口意の業は計算され
いまここに集められてい ....
空のうえは宇宙でしょうか
ぼくには空のしたしかありません
あらゆる哀しみと同苦したいのです
空のうえなどいらないから
あらゆる哀しみと同苦したいのです
天国なんかありません
地獄なんかも ....