乾いてる軒下暮らし梅雨の日もそれが定めとうな垂れて
ほんとうに美しい玉葱の芯どうしてもほら泣いてしまいます
玉葱の玉を採ったら葱だらけでもそれは夢{ルビ二兎=にと}を追うひと
玉葱の ....
2階から猫の談義を見下ろし今夜もけむりで風向きを知る
声のない月の嘲笑をそばだてはっこう中のスープをすする
水金地火木土天海のスイッチで産まれる光の卵
響き合うことに楽譜は要らなくて夜の舞台で雨が奏でる
渦の中うまれてきたの(かたつむり)シとドの間の宇宙をみてた
世界地図の片隅でそっと競い合うかたつむり(鍵は海に落とした)
両耳に飼っていたかたつむりたちを探しています連らくください ....
優しさなら全部あげるから バファリンの代わりに 傍に置いてよ
何も言わずに ただ料理を平らげる 私はそれが嬉しかった
君の手は 無から有を 産み出して 無限の未来を 私にく ....
何だっていいからはしゃいでいただけの夢だったから振られたのかなぁ
なつかしいにおいの雨だと思ったがなつかしいのは雨の日だった
あられもない願いだったね 流れ星消 ....
とおり雨」途切れた言葉のすきまからとおり抜けてく夏の体温
いままでも眠る夜だけ好きでした、きれいな呼吸だけ好きでした。
遜色のないヒトデみて切り花の手を取るように色をうしなう
ざんね ....
わたしの家族は、みなそれぞれにパソコンを持っていて、わたしはといえば、専用のものはないのだが、家族供用とされた一台はもうほとんどわたしだけが使っているので、実際はそれがわたしの占有のようになってい ....
{引用=
毎日の上に広がるパレットへメジャースプーンで注ぐ「あいして」
真夜中のキッチン。白い左手がメジャースプーンにたどりつけない。
はかっても、きみの口にはあ ....
{引用=
甘苦しい鼓動と呼吸で輪郭を肥らせていく小部屋にいます
焼けついた涙の痕を剥がそうと掻き毟ってる深爪の指
(吐いた息、吐いた涙、吐いた嘘 ぜんぶぜんぶきみだけ ....
窓からのきいろい日差しで起きた昼さらさらゆれるカーテンは白
だらだらとした足音でもうすでに君だと気付いている帰り道
「とうといね」3度目のバイバイのあと遠くでつぶやくパステルのきみ ....
{引用=
シロナガスクジラの背中にのっかって幸せだった波に夢みる
(さみしくて、さみしくて、ずっとさみしくて、しあわせすぎて、死にたかった)
....
いいから、と君が言うからいいかあ、と とろけてゆくの朝の素肌に
もう顔も見たくないのにあの海の写真のきみは女神みたいだ
かなしいよ、かなしいよああ、どうでもいいチャンネルにして少し ....
{引用=
8センチ隣でただしく眠ってる、きみに呟く「死のうか」なんて。
どうしても受話器ごしでは無理なのね いっしょに歌う、そんなことすら
この夜のふかいとこにきみがいて ....
梅雨明ける片側に傾いているしかないんだね朝のシーソー
野球帽はすに被ってきみは行く夏炎天の田んぼの道を
風多き場所より早く秋が来てまだ夏の日の街をかなしむ
水門はただ待っている秋の日 ....
横長の陽射し
オレンジ
リビングに
果実むく手と濃淡つくる
蜜みたい
トランペットの音のびる
指ですくって
夕焼け、とろろ
朱をぼかし
うすもも塗って
金散らし ....