目で探りながら
手で解ったふりをする
口で汚しておいて
肩で諦め切れない
そんな浅はかで気紛れな
自分の中の振り子を
ひとときだけ止めて
佇んでみたけれど
森の深い呼吸が
耳の後ろをくすぐるから ....
{引用=・・・私死ぬのね
はらはらと満開の桜が散る中
私死んで行くのね・・・}
最後まであなたの愛にすがって生きていたかった
少しは私に愛が残っていると思っていたのに
結局あなたは私 ....
白猫が 轢き潰された
昔 よく通った道だったし
車の量は多かったけど
それほど危険だとは思っていなかった
まるで 散歩するような 足取りだった
轢いた車は 派手な 高級車
派手に音 ....
その日、僕は仕事を置き去りにして
青山墓地に向かった。
そして、
その日、僕の何かが壊れた。
さよなら神様
神様は本当に死んでしまったのだ。
五歳の僕は
毎月現れる本屋から
月 ....
終わらない悠久、時を止めて
人類琥珀計画
僕を見て僕に触って僕に気づいて
ブラウン管越しの気配
胎児が無重力になる時間
区切りの定義が分からないんだ
るう、るる、るうう
水音が歌 ....
10月27日 曇
僕は数を数えるのをやめた
「僕はハルシオンになったみたいだ」と に言った
は腕を縦に切ったカッターを机に置いて力を込めた
「おけちゅるゆりかりゅ」
....
さびしい仔猫が眠る部屋
国道が近いから
救急車が何度も通る
そんな音のない時間や
一日がない
もしや
そんな日があるとすれば
耳を済ましてしまうかも知れない
わたしが生きている ....
探しているものは案外そばにあって
あちこちひっくり返したりしてるその手の
袖口に引っかかっていたりする
最後にきみを見たのはいつだったか
霧がかかったみたいにぼんやりとしているけれど
....
歌になりたかった
いつでも人を元気づけるような
歌として生まれたかった
そして人に口ずさまれたかった
人の楽しみでありたかった
人の希望でありたかった
そしたら苦しみも絶望も知らなくて済む ....
{引用=
ぼくの酸素マスクの隠し場所をあんたたちは知らないという日常です
真白な晴空の淵にしがみついている愛着がはやく流れされていけと願う毎日です
アスファルトの裂け目にくるまれている苔の
その淡 ....
ひたすらな静けさにたたずんで私は声をなくす/それはまるで切り離されたようだ、しかしそれよりは遥かに酷い状態だ/少女は亜麻色の髪でなくてはならなかった。しかし、乙女である必要はなかった/空を飛ぶ魚と ....
僕は言葉の破片を
手にしながら さまよい歩いていく 夜の間を
ただ 僕はいったい何なのだろうとやめない どこまでも止まることを
夜の間は続いていく どこまでも
子供が作った抜け道もあるかも ....
洗濯機に釣り糸を垂れる
魚が釣れる
うろこが晴れの光に反射してまぶしい
釣り糸を垂れる度に
次々と魚が釣れる
面白いように魚は釣れるけれど
魚は面白くなさそうにこちらを見るばか ....
使えない奴、否、不愉快な奴
そういう奴こそ使えばいいのだ
世の中きれいごとではない
きれい、から出発して
きたない、こころに足をとられるくらいなら
乱暴な、こころから出発 ....
僕らは
大地から生まれ
大地へと還る
ただ それだけの事
そして その短い間に
何を想い 何を感じ
何を願い 何をするか
それが 「生きる」というモノなのだろう ....
象なら撫でてもいいのです
像をなでてはいけません
「見るなのヴィーナス」を見つめてはいけません
「考えない人」を見て考え込んではいけません
秋は渡りの季節ですから
マンモスたちが渡ってき ....
わたしのつみ
それは、
乾ききった電子記号の羅列を
わたしのパルスを
発してしまったこと
わたしの渦に
巻き込まれた
小さく、か弱い
痛々しい 命が
ないていることを、シカトした ....
暖かい灯火を抱いて
真っ白な肌は
羽が積もるのを待っている
ルビーは血の色
瞳の色
真実を咀嚼して
淡い炎で
赦すのです
隙間に光を集めて
閉じ込めた心を
透かしたら
温 ....
だれかをすきだという気持ちと
それを素直に言えるという行為には
なぜ隔たりがあるのでしょうか
たとえば食後のコーヒーを
いるのかいらないのかと同じぐらいに
きけるのであれば憂いはこない
....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
ばくだんの解体
まるで私の心をいじくりまわして
夜空の花火になるのに似ている
そしてあるいはハイウェイ
灰色の街の一本道を
バイクのように飛ばす鼓動
棘のある私の心
もう少しロマンチック ....
言葉
目配せする紫陽花たちはにぎやか/に笑みをこらえる。もうすぐ先生がやって来る。廊下をひた走る。期待。新学期はとうに古びて奇妙な連帯感が地中に根を伸ばす。もうすぐ黒板消しが落下する。中間テスト ....
少し遅刻気味の進路
ミスを気が付いて自分を呪った
あの頃に戻りたいのはみんな同じ
いつの間にかに出来上がった
シークレットエンディングを
見るための条件は
どれも自 ....
渚を歩いていたときのことだ。
波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
何かを始めなければならない時とか
何故こうも憂鬱になるのか
僕の淵源にはqualiaが程々に溢れていて
僕は僕に「ああ、そうなの」とか
「しかたない」とか
circleの中には僕にとって価値 ....
あたたかな毛布にくるまりながら
君の名前を小声で叫んでみる
世界のはじっこで
群れにはぐれたトナカイやヒツジも
安心して駆けつけてこられるような
優しい距離で
いつのまにか伸 ....
あれから2週間が経ったっていうのに
なぜいまも頭が膨れ上がってるのか
理由は自分でもわかっていて
そのうちのひとつは、トーキョー 打ち上げの席でもと子さんが話してた電車話が
私の旅路にふりかか ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}
糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
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