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おさないうぶ毛はやわらかく見えるが
じつは火花のように爆ぜていて
抱くと心地よい痛みがはしるのだ
いまはまだおさないあなたの
火花がだんだんと肌のおくへおさまって
それから花火のように打 ....
ため息のような光をむすんで
いくつかの夜に糸を張った
いまやそれはつめたい手のように
こぼれおちる影をやさしく拾っている
愛が理由にならない最終バスのなか
女と男は指を繋いで
まっさらな舟を編むような気持でいた
ここには何もないのに
海を
みたこともないのに
行っておいで
と
彼女は言った
でていけば
また
帰ってこられるんだから
と
あしの爪を剥がしながら
もくもくと呪文をつくっている
ぼくは
だれにも
うそをつきたくないんだ
ゆうぐれに
さみしくなったり
あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり
ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり
生きるとゆうことが
どれだけ不安でも ....