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E線の震え鳥肌一人の夜
水たまり鳩の屍骸の燃える音
朝焼けの重い銀色2号線
街路樹に木っ端微塵のメルセデス
これも毒あれもまた毒グミキャンディ
青 ....
一つ二つ三つヒガンバナ咲き出した
一輪の一つ二つ三つだけ咲いている
ヒガンバナ一輪に足りぬ彼岸花
青白い茎まっすぐなヒガンバナ
指を開くように此岸を数えてる
爪の先を割って真っ赤な花 ....
耳たぶを練り餌さにして夜釣り
寝がえりの数だけ夢は裏がえる
またひとつ積もり重なる雪まなこ
煌々と言葉は眠りを遠去ける
見も知らぬ機械の生まれを語る夢
....
失恋の傷に追い討ち栗の毬
秋風の所為と言い張る君の嘘
秋ついりポチはハウスに引篭もり
月観れば腹を叩くか遠吠えか
天晴れと誉めてつかわす秋の空
....
なき母に 「帰りが遅い」と こぼす父
あかい陽が 染めたふりして 告げる恋
夕焼けは東京タワーに盗まれた
冷風に反射した空雨近く
寒いねと囀る 風とスカートが
花火より緑の夜ざくら見ていたい
っっっ風 今の強いね 飛ばされたね
きっと僕ら、お ....
山の端にさそり座一つずつ昇る
釣り針の尻尾が銀河を吊り上げる
文字盤を重ねて二つの柄杓時計
麦と真珠 腕をそらせて指ししめす
冠をひとに贈りたがったひと
冠をひとに贈りたかったひと
....
脱ぐときは背中から脱ぐ春近し
目薬のまばたき世界を巡りゆく
歯の奥の穴に詰め込む笑いかな
にやにやと胃がさげすむ日空は青
とどこおる想い手のひら解き ....
寒くても シャワーしかない 風呂よこせ
羽毛布団 やっと買った この幸せ
雪道で 受身をとっても 痛いけど
ラバァソゥルなら いいんだよそれで
初めてだ 鼻水凍ったの 初めてだ
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産れた火 降る雨と楽譜 鎮魂歌
寒梅を 燐寸で燃やす 夜想曲
(フルートとヴァイオリンによる火の恋-ミンネ-歌)
瀬をはやみ割れたきりなる年の夜
心眼を持たぬ我らの初詣
拾ひしは空の財布ぞ初夢に
二階なき我が家にぞめくひめはじめ
ちはやふる{ルビ雪花菜=きらず}炒めつ落語聴く
年明けの雑煮は夏の尻子玉
君がため汲みし若水 皿に注ぐ
寒施行 狐と分け喰む小豆飯
そっと割る頭氷の鏡開き
水底は青女の朝より温かく
名護岳のキジムナーから花便り
雨音す記憶の裏の廃墟より
うすぐもにあなたをのせて追放す
がじゅまるの森よわれらを放逐せよ
がむらんや人なく冷たくゆーとぴあ
霧襖抜けて来しひと霧に消ゆ
くすみたる欄間の ....
暑さゆゑ眠れぬと生皮を剥ぐ
炎天や毒蛇暴るる腹の内
息づくよどみに足をとられた
君がやさしく手をのべれば滴る血
くすりゆびだけのびあがり霧の沼
首無しが首締めてゐる芒原
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