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一日中 のど笛が消えて
卒寿のおひとりさまとなった
いま ひそかに愚痴をこぼしている
無駄口でもかまわない
もっと もっと若かりしとき
声帯を訓練してお ....
冷蔵庫のコンデンサと
コンプレッサとが
ご機嫌いかが と適時にささやく
そして そのたびに
卒寿のおひとりさまは
ぴくっとして 暮しの流れに竿をさす
過ぎた四次元の追憶を迫 ....
加齢の彼氏が
ライスカレーを頬ばっている
あぶら顔をさらして
席をへだてた 妙齢の彼女は
茗荷のてんぷらを注文している
涼しい顔を店主にむけて
しにせの大衆 ....