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あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている
花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る
光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋
輪郭をも ....
{引用=銀色の月を砕いた細雪
虚飾の街にも、しんしんと
上野発カシオペアはふるさとゆき
すれちがう旅人のなつかしいアクセント
耳の奥では遠い遠い子守唄
かあさんの声、 ....
{引用=ジャンクフードからドッペルゲンガーまでを
わたしの小さな世界の一員と認めて陳列したストアで
コスモポリタニズムを宣言するの。
エキセントリックな彼を愛する彼がとても好きだから
シャネル ....
白い部屋の
白い窓辺のあなたに
向日葵を届けたい
朔の闇夜の月を
輝かせるほど
明るい向日葵を贈りたい
七色の虹が
黄色であふれるほど
たくさんたくさん贈りたい
あなた ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。
雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....