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花と線香と手桶を持って
目印に辿り着き
うろ覚えの作法で
てのひらを合わせながら
ついでに
貴方達のことを少し想った
そうだよ
罰当たりな僕は相変わらず
此岸のモラトリアムを
見苦しく這いずり回 ....
君の唇の くれない が
僕の内側を伝い落ちると
日常が育んだなけなしの植物群は
夢見るように朽ちていった
君の爪の くれない が
僕の外側を掻きむしると
日常に着せたつきなみな制服 ....
たましいが擦れ合って
生まれた音は
いつまでも胸のきざはしを
昇り降りしている
忘れてしまおうと思った
夕暮れの端から
温かい闇を連れてその音は
何度でも訪れる
君の仕草が ....