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「僕たちは遠くの遠くの空の向こうへ行かなくてはならないのだと生まれる前から約束されていたのだけれど、」
(蠍は現実のなかから降りてきていました。
機械鳥は最後に僕か君かを選ばなければなら ....
君の首筋に
この指をなぞらせる
はやく
心臓をえぐりだして
左心室の筋肉の美しさを閉じ込めてしまいたいと思う
虚ろを見据えるその瞳は
もう二度と脳内と信号を交換することもないのだ
....
1
「――光は痛いですね。
きみは風にのれば影がなくなるのをしっていますか?
きみの記憶は焦らずに、
ゆっくり歩いていけば自然と埋まってゆくでしょう。
きみよりも地面 ....
此処までがわたしで
彼処からをあなたとすると
あなたは夢をみるだけ夢から離れると云うことになります
行進する群れの中から
あなたひとりだけが選ばれたと云うことなのでしょう
上へと還る ....
夢がまた落ちてゆきました
いつか僕たちはまぼろしの形をした記憶のなかに沈みます
君には誰も読んだことのない本を読んでほしい
うまれる星の話
海に咲いた永遠の話を
世界中の誰も ....
はじまりは、「鱒夫の憂欝」
ああ!――磯野家へと続く道! おお!――散らばった靴たちよ! 俺が婿にきた時は綺麗に掃除されていた玄関は今はどうだ? 当時の、波平の笑顔さえ遙か遠く ....
君は暮れ果てた記号の森ふかくで永遠と出逢うだろう
僕は知っている 泳ぐのを止めてしまった魚 そして地獄を
君は目を醒ますことなく星を抱いている 月光を 浴びながら
甘い偽 ....
わたしは消えてしまった光をのみこんでおちてゆくので
海へとかえってしまう
小さな夢が微笑みながらわたしのほうに歩いてきて
わたしは夢の続きへとはいっていかなくてはならない
(教 ....
堕ちていった葉は
碧の奥へと重なって
死んだ細胞が再び
新しいこどもたちを生かすように
たべものは僕の肺へと
するり届けられていく
いつまでも
きみの手を離せないように
僕 ....
(もううんざり!!)
ほらほら、教室から飛び出した鳥、夢のなかの数学の授業で先生が言っていました、「死が我々の隣にないのであれば私たちは消えてしまうしかない!」って。――ねえ、先生、も ....
世界はいつも濡れていて 陽射しが人々を焼こうともすぐ隣では雨滴が垂れていました
四月 世界の中心 学校の工事は水の神様に赦される為
海へと続く道を狭めていた街路樹をまずは ....
通りをまっすぐ行ったところに置かれた忘れ物よりもむこう
右へ右へと使われなくなった線路を歩いていくと役目を終えて眠りについた人形がいます
そこには電車と同じで動かなくなった時にだけ優しくさ ....