{引用=
五月の渚を
散歩する白い幽霊
恋人の笑顔で振り返って
消え去る
現実ではありえなかった情景に
こんなにも度々顕われ
胸を痛ませる
....
・
からだじゅうの隙間という隙間に
硝子の欠片を
ぎりぎりと押し込まれているような気がして
目が覚めた
いつの季節でも
朝の光は鋭く皮膚を切り裂いてくる
光が当たって切れてしまったところ ....
女の声は殆どが水で出来ている
舐めとればそれはひどく甘ったるくて
お祭りの屋台で食べた綿菓子みたいに
口がべとべとになってしまうんだ
男の声は殆どが煙で出来ている
吸 ....
五月が
裏口から入ってきて
玄関から出ていくところだったので
私は少し呼び止めて
今こうして二人でお茶を飲み
別れを惜しんでいます
何もはなさずに
はなすことなどもうなくなったから ....
6月の快晴に出会って
やあ久しぶり なんて手を挙げたりして
からからに乾こうとしてる街を
隙間を見つけながら走り抜けたりする
名前も知らない鳥が
真似できないような声を出してる
それに ....