水銀の示す数値は風邪気味の君の言葉だ逃がしたくない

 起き抜けにトーストを焼く君の音たゆんだシーツのシワをのばせば

 右を向くランドルト環目に据えて黒いスプーンがまぶたを食べる

  ....
{引用=
いち



深海のエントランスがここにある(キスは壊れた鍵音がする)


ニセモノをニセモノとして愛しなさい 商店街は長すぎるけど


足元を見ながらいきてくしかなく ....
冬の日の眠った街と太陽の温度で君の指を造ろう {引用=(横たわる河をいつもひとり渡ったこの身も河のひと粒として)}

電源を切ったつめたい指先が私の花をふるわせて、夜

私だけを、という歪んだ夢をみて卓上の檸檬が暴発する

恋人か友人 ....
老人が残った街がゆるやかに僕を現実に引き留めてる

電車から見るだけの校舎だったのにいつから記憶になったんだ?

放射性物質の羽根で世界を羽ばたき包み愛でてやりたい

「正論で生きてます」 ....
十月の昨日に降った雨のことを思い出せる街があるそうだ

気が遠くなる雑踏の中にいて自我を支えに立っているのだ

きっともう何が嘘とかに対して怒り続けた日も過ぎたのだ

大気圏を感傷的に突き ....
ビルディングひっかかってるひとつ星
    僕はみるみる涙こぼれる


指先でえがくデッサンほらそこに
    君と僕とをつなげる星座


この胸にシンクロするよリトルスター
    ....
「林檎ってちょっと女に似てるから歯を立てるときぞくっとするね。」

夕暮れに秋刀魚さばいてみるのですふと血が見たくなりましたので

夜遅い夫の帰りを待ちながら深く深く爪を切るわたし

 ....
見通しのいい場所で
感じないのは何故だろう


グッバイガール
細い月はハイヒール
運命はやはり
あると思うんだ

遠く遥かなものに
励まされてきた
君は近くのものに
励まされ ....
その人の詩
遠い外国語の
耳慣れぬ響きと
一通の手紙の文面

進化し続けることは
数多くのものを淘汰し
個体は自分自身の経験で
宇宙を語りなおすばかりだ

いつしか循環する日水辺に ....
基礎を崩すと  雪崩落ちてしまうようだ
君の にわかに始まる劇中劇に
恐れおののく夕暮れ
掃ききった残骸をビニールに
いつもどおりの蝶蝶結び
『あれが僕』君の語る君なりのシャイニング ....
靴紐を掛け違えたまま走り出し気付いた時には止まれないひと

「有限」の悲しさを説く 有り体に ただ語尾だけを優しくしながら

宛て先に辿り着かない郵便を送り続けるような人生

「あなたほど ....
私が永遠に朝にならないので
後続する螺旋は、夜空にひねりこみだしました
すると我先にと町工場が巨大プラスドライバを打ち上げて
夜のネジをぐるぐると外してゆくものだから
空からたくさん落ちてきた ....
電車から見える花火は大きくて少し悲しくてやがて消えた

いつまでも泣きたい日です悲しさも嬉しさも花火に消えてくれ

君と見た花火の色も大きさも匂いも涙もふくめ

現実に僕はいるのだとようや ....
つい昨日君と歩いたこの道で「おはよう」なんてメールしてます

祝福の夢を見ていた気がします されど心は寂しいのです

良い夢の後はどうして寂しくなるのでしょうか泣きたいのでしょうか

明後 ....
七夕なのに 今日は曇り そして魚は夢を見た
パラソルをさして
弁当を食べてはまた泳いだ
浜辺に差す太陽は快晴
海を泳いでいく私
シリアスな詩を書いてはいけない
空中に散種する植物の
いい加減さで哀しみを
伝播させてはいけない

難解な詩を書いてはいけない
ペダントリで行間を埋め尽くし
注釈が付くのを待つような
 ....
朝の君には『オハヨウ』を

昼の君には『アイシテル』を

夜の君には『オヤスミ』を

眠る君には『サヨナラ』を




最後の言葉は君には届かない
幸福になった前夜を思い出す その日はきっと不幸じゃなかった 私はいろいろなことを思いながら
歩いてきたけれど
確かなことなどなにもなく
ただ歩いていくその風景があった

橋を渡れば
川が色々な色をしていて
私をそこに立ち止まらせる そして
空っ ....
{引用=

春、
花々の精気が既に雪の下で匂やかだ、やわらかく傾斜する日差しはまるく、
やがてくる命の現れを優しく促しています、この真昼の自然の営みが私の
声を滑らかにする、わたしの身体もま ....
亀井 花名さんのおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水銀- キッチン短歌209-11-15
誤発- しろいろ短歌10*09-11-7
錬成- きらく短歌109-10-29
欠けていて、月- 石畑由紀 ...短歌1009-10-26
8.29-9.25- きらく短歌209-9-25
missing_link- きらく短歌309-9-17
リトルスター- 石瀬琳々短歌6*09-9-16
結婚してよかった、とか言ったことない- 吉田ぐん ...短歌2209-9-14
夏のカーブ- 昼寝ヒル ...自由詩1009-8-23
ゲーテ生誕260周年- 瀬崎 虎 ...自由詩609-8-19
治癒- ogawa hana自由詩309-8-19
デイリーユース- みつひ短歌209-8-16
奪われた夜のネジもしくは私が夜闇に奪われた、あのネジ- 北街かな自由詩13+*09-8-14
夢花火の世界にうなだれるふりして立ってみよう- きらく短歌1*09-8-8
あてどなく- きらく短歌209-7-7
行方知れず- within自由詩6*09-7-7
ゆらめき- kiriko自由詩809-6-28
シリアスな詩を書いてはいけない- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-6-27
君に- 花音自由詩209-6-25
- きらく短歌109-6-17
海へ- kiriko自由詩209-3-10
春、- るか自由詩4*09-2-17

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