すべてのおすすめ
木枯らしがいろどり集めさらいます頬を伝うは無色な涙
秋だから人恋しくて鍋に浮く豆腐のようにゆらいで誘う
街中をクレヨンで塗り準備する赤もいいけどここは黄色で
....
夏をたたむ
両手でしわをのばし
ていねいに
色濃い影をおとした夏も
洗濯され、たたまれると
頼りないほど薄っぺらだ
....
一筋の糸のように
あとからあとから
繋がっている
連れてくるのだ
思いだせない何かたちを
そんな蜘蛛 ....
あなたとわたしは一膳の箸でした
年を経た槐の木から
それはそれは丁寧につくられて
生まれたのでしたね
ある朝 ....
だれかの帰りを待ちながら
とんとんとんと野菜をきざむ
だれかの帰りを待ちながら
からからからとグラスを鳴らす
だれかの帰りを待ちわびて
ぽろぽろぽろと頬ぬらす
今度生まれてきた ....