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2本のギターが
壁に寄りかかり
ひとつは背後に隠れ
倒れぬように、支えている
もうひとつは
傾きながら、立っている
自分の力であるかのように
背後の支えに、気づかずに
....
白い壁に掛けられた
金の額縁には
名も知らぬ画家の描いた
淡い水彩画の少女
朝の光に透けながら
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女
日々多くの人と ....
ホワイトデーの3日前
クッキー屋の前に立ち
義理チョコレートのお返しばかり
虚ろな瞳で探してる
もの欲しそうな、男がひとり。
若い女の店員から
硝子ケース越しに
手渡さ ....
「 いってきます 」
顔を覆う白い布を手に取り
もう瞳を開くことのない
祖母のきれいな顔に
一言を告げてから
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く
散歩日和の道を歩く
....